日本で唯一の屋根に椿の木を植えた店舗から作家、社長、杜氏である谷口英久が綴る抱腹絶倒の「Blog」
台風は次々とやってくる。
27/Oct.2017 [Fri] 9:43
週末の台風はどうなったか? というと
倉庫の屋根を壊されてしまった。
とにかく風が夜中じゅう強く吹き荒れて
窓になにかが当たるんじゃないか、と思いながら
ずっとウトウト寝ていた。
朝になってもまだ風が吹いていて
外を見に行くと、自宅の屋根の馬の背の部分が風に飛ばされていた。
さらに倉庫はスレートが割れて、大きく穴が開き、下に水が流れてきていた。
水だけでなく、枯葉や小枝も穴から入り込んでいる。
スレートの割れた部分は、今にも下に落ちそうに風に揺れていて
しかし屋根が高くて梯子もかけることが出来ない。
大急ぎで建設会社に電話をしてみると
社長以外はみんな出払ってしまっていないということ。
それでも社長が見に来てくれて
休んでいた従業員の人も出てきてくれた。
ブルトーザーの大きいものを出してきて
それに従業員の人が乗って、取り外してもらって事なきを得た。
しかしこれを直すには、時間が掛かりそうで
修理の見積もりを出してもらっているあいだに
また台風が来そうな気配である。
仕方がないので、そのまま穴が開いた状態で、台風が来るのを
待っている。
待っているわけではないけれど、どうしようもない。
考えても仕方がないのである。
自宅の屋根は自分で直した。
釘ではがされたところを打ちつけて、これなら飛ばされることもないだろう。
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知らないから出来た。
15/Aug.2015 [Sat] 16:13
夜になって夕飯の支度をしていると
隣のおじさんが窓の外から呼んでいる声が聞こえた。
「裏の戸のすぐ上にスズメバチの巣がアンどォ」
おじさんはそう教えてくれた。
それは大変だ、と思って、静かにドアを開けると
子供の頭くらいの大きさになったスズメバチの巣が見えた。
穴の中では、スズメバチの黄色いお尻が蠢いているのが
見える。
怖くなって、ドアをそうっと閉めた。
さっき、夕方に家に帰ってきてからも、このドアの下を
通ったのだ。
ドアをふさぐように蜘蛛が巣を作っていて、それを払った。
そんなことをして、よく平気だったなあ、と自分でも思った。
知らないって、凄いことだなあ、と妻と話した。
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お湯が出ることは本当はふつうではない。
30/Jul.2015 [Thu] 19:34
給湯器が壊れてしまった。
これではお風呂に入れないので、メーカーに電話をすると
「サービスの人間を派遣しますので
しばらくお待ちください」
と言われた。
こちらの電話番号を伝えてしばらく待った。
それにしてもですよ。
この暑さでお風呂に入れないと、
やっぱりどうにもたまらない。
それで、水を浴びるけれど
汗が引かないような気がする。
お湯を浴びると、すっきりする。
ありがたいことだなあ、と
今さらながらお湯のありがたみを感じる。
冷房装置も同じで、ずっとクーラーの効いた場所に
いると、そのありがたみがわからなくなってしまう。
十分おきくらいに外に出て
再び部屋に戻ると
「おーっ、素晴らしい」
ということになる。
もっとも仕事場には冷房装置はないので
自然の風が頼りである。
午前中に二回、午後は一回、シャツを着替えるほど汗をかく。
でも、それが気持良いんですね。
だからこそ、夜も疲れてよく眠れるわけで
不眠症にもなりようがない。
それで、給湯器の修理は一週間後に八王子の会社から
人が来てくれることになった。
飛行機代はこっち持ちで、往復、二万円強のお金も
払わなければならない。
きついけれど、直してもらえないことには、どうしようもない。
お湯が出るまでは、とりあえず水を浴びて過ごそう。
自分で直せたら良いのになあ。
サービスの人が大島にも居たらいいけれど
まあ、そうもいかず、来週になるのを待っている。
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朝のツバキ城。
09/May.2015 [Sat] 7:10
朝。
工場に行くとツバキ城の玄関の前に
ツバメがいた。
地面に降りて、何かをついばんでいる。
石畳のあいだの細い溝には土があって
そこをツクツクつついている。
羽根は蒼い、むらさき色にも見えた。
なにをしているんだろう?
近づくと逃げてしまうので、車から降りて
しばらく眺めていた。
午前中いっぱい、このつがいのツバメは
工場の入り口の、麹布を干すための
縄の上にとまって、お互いにさえずりあっていた。
新しい巣をつくるための場所を探しているのだろう。
カラスに狙われないか、
狙われたときに人間が助けてくれるか、
どのくらい人間がいるのか、
餌はどのくらいあるのか、
そんなことを調べているらしかった。
玄関先のツバメが何かをついばんでいたところには
ダンゴ虫がたくさんいて
これを食べていたように思った。
玄関とは反対側の、瓶を洗う器械の入り口に
巣を作るような気配がうかがえた。
蔵の中ではないので、ここならぼくも安心していられる。
どうかな? 
作るかな?
子供が産まれて成長してゆくのを見られたらいいな。
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ツバメの季節
15/Apr.2015 [Wed] 17:04
話しましたっけ?
二週間前になるけれど、ツバメが来た。
短く鋭い声で鳴く鳥の声が聞こえたので
「あっ、ツバメだ」
と思って空を見上げると、あの黒い流線型の羽根が
見えた。
嬉しくなった。
今年も春が来て、遠くから渡ってきたんだなあ、
と思うと感慨深い気持ちにさせられた。

それからまた寒い、雨の日が続いて
蔵で仕事をしていると、ツバメが一羽で
入ってきた。
蔵の天井は高いし、中も広いのでツバメが巣を作るには
最適な場所である。
しかし、仕事が終われば扉を閉めてしまうので
そうなるとツバメは出入りが出来なくなる。
巣を作って子供が産まれれば、親は夜が明けると同時に
餌を探して飛び回ることになる。
そういうこともあって、ここには巣を作れないんだ、
と毎年ツバメに言う。
ツバメはまだ相棒がいないらしくて、一羽だった。
雨に濡れて寒いのか、蔵の天井の梁にとまって
丸く膨らんでいる。
顔がちょっと楕円形になって、それがまた可愛らしい。
ぼくが話しかけると首を傾けて、こっちを見ている。
それからしばらく梁の上にいたけれど
どこかにまた出かけていった。
巣を作る良い場所が見つかるといいね、と思った。
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こんなこともあるんだなあ。
05/Oct.2014 [Sun] 8:51
玄関のドアを開けて、一歩外に踏み出すと
バッタのような虫が
驚いて草むらから飛び出した。
ぴょーんと勢いよく飛んで
放物線を描くように飛んだ先の
クモの巣に引っかかってしまった。
秋になるといたるところにクモの巣が張られている。
そのひとつにこのバッタも
引っかかってしまったというわけだ。
(ナナカマドに似ている大きなバッタだった)
ぼくが玄関から出たおかげで
このバッタはクモに食べられることになったわけで
助けようか? と心の中で思った。
しかし、クモはすばやく糸を出して
このバッタの足と頭に巻きつけ始めた。
もう間に合わないだろう。
なによりも、引っかかった瞬間に
まず頭に噛み付くような動作をした。
毒のようなものを注入したように見えた。
クモの巣を払って、バッタを助けたとしても
助かるのかどうか、五分五分のところだろう。
申し訳なかったなあ、と虫に手を合わせて
その場から離れた。
クモもずいぶん久しぶりの食べ物だったらしく
糸を巻きつけるとすぐに虫の頭と胴体の付け根の
あたりに噛み付いたまま、ジッとしている。
バッタは動けないまま、後ろ足だけを
ゆっくりと動かしていた。
その動きが本当にゆっくりで
毒のようなものを入れられて
それが少しずつ効いてきているような緩慢な動きだった。
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ツバメが渡ってゆく
21/Aug.2014 [Thu] 17:59
夕方、もう日が暮れようとしている時間に
電線にたくさんのツバメがとまっているのが見えた。
秋の雲が、夕焼け空に溶けるように漂っている。
ツバメたちは、なにか、しきりに囀っている。
子育ても終わって、どこかに渡る相談をしているのかもしれない。
どんなふうにその日を決めて、群れになって
飛び立ってゆくのか、いつも不思議に思う。
ガソリンスタンドの上に巣を作っているツバメは
ひとかたまりになった群れが何度もその周りを飛んで、
呼ばれるように飛び立ってゆくという。
そうやって、みんなでどこかに飛んでゆくのだそうだ。
いつの間にかツバメの声が聞こえなくなって
そうすると秋の気配が濃くなり始める。
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日常のすぐそば
04/Feb.2014 [Tue] 19:05
一月の半ば頃だったか、妻に
「車を停めて」
と言われた。
桜のつぼみがほころんでいるので
車を降りて写真を撮りたい、という。
ぼくは仕込みが待っているので
そんな気分ではなく一刻も早く工場に行きたい
と気持ちばかりがはやる。
でも、まあ、車を停めて、妻が桜の写真を
撮るのを外には出ずに眺めていた。
昨日の春のような陽気で、この桜もほとんど
満開となった。
毎年、この木が一番早く花をつけるらしい。
気が急いていても、ちょっと深呼吸をして
一緒に桜を眺めたら良いのに。
一方ではそういう気持ちもある。
それが出来たら、一日はもっと素晴らしくなるだろう。
造っている焼酎も、もっとおいしいものが
できるようになるだろう。
朝は毎日同じように見えるけれど、それは
自分の気持ちがそうさせているんだろう。
本当は毎日、違う朝が来て、夜が明けている。
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大好きなアラタさんのこと。
12/Dec.2013 [Thu] 19:30
草刈り器という道具があって、今日はこれが壊れた。
壊れたというよりもエンジンに燃料を移送する
ポンプの部分が破れてしまった。
ポンプというと、モーターがあって
それで燃料を送るように思う人もいるかもしれない。
でも、この器械はすごく簡単なものなので
ポンプは指で押すようになっている。
透明のゴムのような素材でできているものを
指で押すと、その分だけ燃料が送り出されるように
なっているんですね。
そのゴムの部分が破れたので、これはもう交換するしかない。
そこでこの器械を買ったアラタさんの店に出かけた。
アラタさんの店は不思議な店だ。
森の中にある工務店の一角を間借して
店というよりも小さな工房というような風情だ。
出かけていていないこともよくあるので
工務店に電話を掛けて、いるかどうか、確認をしてから出かける。
「おうよ、今はいンけどよ。だけどもうハイ三十分もしたら飯に行くどォ」
電話口で今日はそう言っていたので、午後に改めて出かけることにした。
「このあいだ来たら居なかったからサ、今日は電話をしてきたァヨォ」
ぼくがそう言うと
「おう、その日は孫の運動会があってサ、だから休んだぁでェよ」
身体は引き締まって、使い込んだ指は油が染み付いたように黒く光っている。
恥ずかしいのか、あまりしゃべらないけれど、ぼくはアラタさんが好きだ。
正直に生きてきた様子が全身からあふれている。
ポンプは交換してもらって、またエンジンが掛かるようになった。
「いくら?」
と聞いてもアラタさんは返事をしない。
お金は要らない、ということなんだろう。
「取ってよ」
というと
「いいよ。また今度」
と言って、そっぽを向いた。
でもその横顔が恥ずかしそうな、でもちょっと得意げな
なんとも言えない表情になった。
「ありがとうね」
アラタさんにそう言って、軽トラックの荷台にその草刈り器を載せた。
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ふくら雀がいるよ
27/Nov.2013 [Wed] 19:48
寒い中で雀が羽をふくらませて丸くなっている。
ふくら雀というらしい。
そうやって羽をふくらませて、空気を溜め込んで
暖をとっているのだそうだ。
工場の庭先でそのふくらんだ雀が地面にうずくまってジッとしていた。
陽だまりのなかで、動かない。
ぼくが作業をしていても、まるで怖がる様子もなく
静かにうずくまっている。
遠目に見ると、おなかを膨らませたフグが
地面に置かれているように見える。
妻も雀が好きなので、
「見てごらん」
と小さな声で教えた。
「具合が悪いんじゃないの?」
と妻は心配している。
ああして地面にうずくまっていたら
猫にやられる可能性も高いだろう。
でも、すぐそばに仲間の雀がいて
あたりを伺っている。
車の下という場所もあって
自分たちでは物陰に隠れて日向ぼっこをしている
つもりなのかもしれない。
とにかくかわいらしいので、しばらくその姿を眺めていた。
作業を終えて、再びそちらに目をやると
もう雀の姿はなかった。
風が強いけど、陽だまりにいると本当に幸せな気持ちになった。
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