日本で唯一の屋根に椿の木を植えた店舗から作家、社長、杜氏である谷口英久が綴る抱腹絶倒の「Blog」
嬉しかったこと、ひとつ。
24/Oct.2020 [Sat] 20:47
エアープランツという植物があって
近所の花屋さんで安く投げ売りをするように売っていたので買ってみた。
水をあげなくても育つというもので
けれども何週間かに一度は水に浸けておく必要があるのだそうだ。
これを三株買って家に持ち帰った。三株買っても千円もしないくらいの
値段だった。
水は要らないと言うけれど、どんなふうにしたら良いのか
わからなかったので、何日か机の上に置いて眺めてみた。
すると植物の下の方から根が出ているのに気がついた。
そこでグラスに水を入れてこのエアープランツの根が浸かるように
置いてみたというわけである。
直射日光は嫌がるらしいので
窓から少し離れたところに置くことにした。
一月ほどすると根を水の中に伸ばし始めた。
さらに二週間置くと、一つの株には花の蕾が付いて、芯が赤くなり始めた。
おおー。お前さん花が咲くんだ。
ここが気に入ったんだね。
そう思っているうちに紫色の花が咲いた。
水は二週間に一度くらい、夜に水を少しかけてあげることにした。
それぞれが元気で、みんな葉を伸ばしている。
花が咲いたエアープランツはもう本当に大喜びと言った風情で
葉を大きく広げて、買ってきたときとはまったく違う
ものになった。
初めは元気がなくて、ちょっと枯れかかっているような
葉もあったのに、今では見違えるように元気になった。
これを見るとぼくも嬉しくなる。
元気なものを見るのは楽しい。
ありがとうね、とこのエアプランツに声をかけた。
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和三盆の美味しさがわかる年頃。
13/Oct.2020 [Tue] 14:51
涼しくなってからまた暑い日があると
蚊がものすごく出てくる。
小さな蚊で、これに噛まれると痒くて仕方がない。
タイで昔買った蚊除けのクリームがあってこれが効くけれど
この小さな蚊は、少しでも塗っていないところがあるとそこをを狙って
血を吸いにくる。
そこにオカムシが遊びに来た。
おおー、オカムシちゃん、良いところにきたね。
お茶でも淹れようかと思っていたんだよ。
今日は和三盆があるけど、食べるか?
と聞くと大好きだというので
お茶を濃いめにして出す。
「なんか痒いぞ」
とオカムシ。
おお、そうだった。
すぐに蚊取り線香を焚くからね、と言っている間に
もう蚊にずいぶん刺されて
ふっくらした腕があちこち腫れてきていた。
キンカンを塗りなよ、と言って差し出すと
「おお、キンカンか」
と言って懐かしそうな顔をしている。
オカムシちゃんは蚊のいない、冷房の効いたところにいるので
(たいていの人はこういう暮らしをしている)
うちに来るともの珍しいものがたくさんあるのだろう。
それにしてもこの和三盆は美味しいよな。
知り合いのお寺さんから貰ったんだけど
若い頃にはこの旨味はわからなかったよね、
と言いながら和三盆を口の中で溶かした。
渋めのお茶が身に染みる午後のひと時であった。
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なんと恵まれていることか。
23/Sep.2020 [Wed] 13:31
今年の夏は暑くて湿度も高かったので
かつてジャングルで30年も暮らした小野田さんはどういう暮らしをしていたのか、
急に知りたくなった。
小野田さんが居たのはフィリピンの小さな島だったけれど
きっと湿度も高かったことだろう。
それに雨も大量に降って、それをどうやって凌いでいたのか
考えてみると大変なことだと思った。
うちも仕事場には冷房装置がなくて
従姉妹に言わせると
「そんなこと考えられない、熱中病で死んじゃう」
と言われてしまった。
確かに暑いし、午前中はまだ仕事になるけれど
午後はひどくなるともう仕事にならない。
それでもまだ帰る前に裏山に走りに出かけて
もう一汗かく。こうするとめまいが少し治まるからだ。
というわけで体重が全然元に戻らない。
それどころかさらに痩せてしまった。
でもね、夕方、家に帰って玄関を開けると
もう天国なんですね。
「おおー、涼しい」
と妻と手を取り合うほど素晴らしい気持ちになる。
風呂に入って汗を流すと、もうとんでもなく気持ちが良い。
一日中冷房装置の中にいたら、すぐに体調を崩すだろう。
朝、仕事に行く時に外に出ると
本当に暑くてこれからどうなるんだろう?
と思うほど汗をかくけれど、
そのうち慣れる。
台風で停電にでもなれば、もうクーラーも使えないわけで
その時はこの暑さに耐えるしかなくなる。
そこで小野田さんのことを思い出したというわけだった。
調べてみると小野田さんはフィリピンのその島の
諜報活動の指令を受けて活動していたので
棲み家というものを持たなかったという。
三日から五日で居場所を転々として、
キャンプを張るわけでもなく、
寝るときも傾斜している土の上に横になるくらいだったらしい。
雨が降ると、土砂降りになり、下からの跳ね返りが
酷かったと書いてある。
そういう中で横になると体温を奪われるので
しゃがんで過ごしたという。
そんな生活を三十年も続けていたのである。
さらに食べ物は果物や、牛を殺して食べていたということで
それだって充分ではなかっただろう。
そんなことを知って、自分の暮らしがどんなに良いか
思い知った。家に帰ればクーラーが効いて
風呂にも入って、雨も凌げる。
昨年は台風で雨漏りが長く続いたので
雨が凌げるというだけでも本当にありがたい気持ちになる。
乾燥した布団の上でぐっすり眠ることもできる。
洗濯も器械で出来るし、お湯もすぐに沸かせる。
火もスイッチをひねるだけだ。
現代の生活と小野田さんの暮らしを比べる方がおかしいという人もいるだろうけれど
ぼくは小野田さんの生活を知って身の引き締まる思いがする。
(思想的なことではなく、あくまでその暮らしぶりのことだ)
快適な暮らしも素晴らしいけれど
島で暮らして行く以上はいつ災害に巻き込まれるか
わからないのである。その時に勘が働かなければ
すぐに息たえてしまうことだろう。
なんだか真面目な話になってしまった。
これを読んでいる人には絵空事の御伽話に聞こえるかもしれない。
バカなことを真剣に考えているよ、と笑われても、
今の世の中は何が起きるかわからない、と思っている。
ま、そんなことを言っても小野田さんには到底及ばないし、
家にはクーラーがあるのでなんとか生きていけるのだった。
クーラーは素晴らしいなあ、って
そんな話をしたかったのかどうか?

(暑い時に書いたものですが、急に涼しくなって
ようやく一息ついているところです)
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ラジカセとカセットテープを使っている人? はーい。2
17/Aug.2020 [Mon] 13:40
と、ある日、そういえば昔はカセットテープを
手動で巻き戻す簡単な道具を持っていたなあ、
と思い出したのだった。
高校生の頃に、秋葉原に出かけて、その器械を買ったことを
思い出したのである。
あの巻き戻し器があれば、テープを巻き戻すこともできる。
どこに行ったのか、倉庫の中を探してみたけれど
見当たらなかった。
それでネットで売っていないか? 探してみると
ありました。ヤフオクで、1400円で即決で買えるものが
あるので、と思って
手配をすると、その晩になって予約はキャンセルされてしまった。
もう一度、初めからやり直すという表示が出ている。
たぶん、安い値段設定にしすぎたので
もう少し高く売りたいと出品者が考えたのだろう。
値段はどんどん吊り上がって、とうとう3800円になってしまった。
うーん、悔しい。当時は500円くらいのものだったのに
「昭和遺産」などというサブタイトルまで付けられて、
手に入らない貴重なもの、だと謳われている。
結局、今回は諦めて、テープは鉛筆で回して巻き戻すことにした。
この前は「欲しいものは何もない」
と書いたのに、急に欲しいものが出てきた、というわけである。
まあ、欲と言っても、笑ってしまうようなものだけれど
自分にとっては懐かしい道具だったなあ、と思った。
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ラジカセとカセットテープを使っている人? はーい。
14/Aug.2020 [Fri] 14:59
仕事場で使っているラジカセの巻き戻しと
早送りができなくなってしまった。
それで曲が終わると、テープをそのままひっくり返して
聞くのだけれど、そうすると始めの方の
何曲かが聞けないのである。
それなら直して貰えばいいのだけれど
電気屋さんに聞いてみたら、
「もう部品がないので直せない」
のだと言われた。
そうだろう。もう三十三年も使っているのである。
しかしラジオとCDは聴けるので、捨てるのはもったいない。
しかもカセットテープでしか聞けない曲が
入っていて、仕事場ではこれを聴きたいのだった。
何の曲が入っているのか? というと
昔、よく聞いた環境音楽で
A面にはイノヤマランドという二人組のユニットの
「ダンジダンポジドン」
というアルバムの曲が入っている。
これが好きで、しかし当時聴いていたカセットテープを
どこかに無くしてしまったのでがっかりしていた。
そうしたら、中古レコード屋で偶然このアルバムを
見つけたというわけである。
嬉しかったですね。
もう今では手に入らない、当時もさほど売れたわけではない
(と思われる)アルバムだけどこの楽曲が素晴らしくて
本当に何度も何度も聴いた。
それを急に思い出して、そのアルバムを買ったというわけである。
しかし、レコードプレーヤーは家にはあるけれど
仕事場には置いていないので
カセットにダビングをして聴いているというわけだった。
(つづく)
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また来年会おうね。
30/Jul.2020 [Thu] 15:04
ツバメの子供たちが巣立ちをして
飛んでゆくのを妻が見たのだそうだ。
子供は三羽いて、親に誘導されながら
倉庫の高い窓をくぐりぬけて
行ったという。
そうか、もう行っちゃったのか。
挨拶もできなくて残念だったけど
元気で飛び立っていったのなら
よかった。
その翌日は嵐になって、大雨に台風のような
風が吹き荒れた。
子供たちはこんな時化(シケ)でどうしているんだろう?
と心配になった。
でもまあ、ぼくの心配なんて関係なくツバメたちは
元気に飛んでいるのだろう。
今は虫もたくさんいるし
食べ物にも困らないはずだ。
親鳥から虫の捕り方や、飛び方を教わって
また来年も飛んできてくれよ。
いつか、ぼくたちも、そしてツバメたちも死んでしまうけれど
しかし、人もツバメも新しい命が生まれて来る。
花も咲き、虫たちも飛び、多くの命が
繰り返し、生まれてくることだろう。
そう考えると、心が嬉しくなってくる。素晴らしいことだ。
(原稿を書いてから一月も経ってしまいました。
雛鳥も今は逞しく空を羽ばたいていることでしょう)
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闇の中で光る。
19/Jul.2020 [Sun] 20:25
しいのともしびだけ
が見頃だと友人のオカムシが教えてくれた。
椎の枯れ枝に生える光るキノコのことである。
うちの工場の近所にあるのだそうで
オカムシは夜に一人でこのキノコの
撮影に行ったらしい。
人気(ひとけ)のない神社の近くで
猿もいるしキョンもいる。
マムシ除けに長靴も履いていかなければならない。
頭上から木の葉が落ちてきたりすると
ゾッとするほど怖いという。
しかし、そんなことを言っていたら
光るキノコは見られない、
ということで意を決して出かけたのだそうだ。
見せてもらったものは
本物というより、合成のイラストのように
緑色に光っているキノコの写真だった。
雨が降ったあとは特に元気に育つという。
大島で見られるのは今のところその一箇所だけで
あとはまだ見つかっていないのだそうだ。
「行くか?」
と誘われたけれど、家からは遠いし
風呂に入って一杯飲むと、運転もできないし
まあ、そのうち、ということになった。
写真を借りてここに貼るつけると良いのだけれど
まあ想像してみてくださいよ。
形としてはエノキダケに近いもので
それが闇の中でボーっと光っている。
世の中には不思議なものがあるもんだなあ。
それを見るツアーもあるそうで
へえ、と思った。
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圏外へようこそ!
17/Jul.2020 [Fri] 13:25
岐阜県中津川市に大雨注意報が
出たので渡合温泉は大丈夫だろうか?
と心配になった。
この温泉は中津川から、さらに歩いて三時間半行った
山の中にある温泉宿である。(車で行けばすぐに着くけど我々は車がないのでいつも歩く)
携帯の電波も通らない、電気もこない山の中で
夜はランプの灯りで過ごす。
八年ほど前になるけれど、ここに出掛けて
宿のご主人、奥さん、それに娘さんとも仲良くなった。
さらにここに遊びに来ていて
部屋が隣になった一宮市の若いご夫婦とも仲良くなって
その方とも今でも連絡を取り合っている。
本当にどこに出掛けても良い人に巡り逢えて
幸せなことである。
しかし今回の大雨は土砂災害の心配もあるし
どうしているか、と思って宿の娘さんに
メールを出してみた。
娘さんはその後結婚をされて今は電波の通じるところに
住んでいる。(言い方が変だけど、本当にその通りなのだ)
するとすぐに返事が来て
「温泉に行く道は分断されたけど、それはいつもの
ことなので、大丈夫です、ご安心ください」
ということだった。
胸を撫で下ろした。
宿には衛星通信の電話が通じるので電話をしてみれば
いいのだけれど、お客さんがいて忙しいと悪いし、
と思いながら、毎日掛けようかな、やめようかな、と
過ごしていた。
そうしたら今日になって、奥さんからゆうパックが届いた
というわけである。
開けてみると豆板というお菓子の袋が一つと
新しいパンフレット、それに手紙が入っていた。
奥さんの手紙は本当に素晴らしくていつも嬉しくなる。
今どき手紙のやり取りが出来るのは、この渡合温泉の奥さんだけである。
その文面と美しい字を何度も何度も読み返すのが愉しみだ。
コロナの影響でお客さんも減ったけれど
お客様が心配して連絡をくれること、
そんなに心配をしてくださる人がいることに感激したこと。
もっと頑張らなきゃ、と改めて思ったことが
手紙には記されていた。
手紙を読んだら、声が聞きたくなって思わず電話をしてしまった。
元気の良い奥さんの声が聞こえてきて
しばらく話した。
涙が出てくるのは、歳を取ったからだろうか。
嬉しくなってすぐにでも会いに出掛けたくなった。
今年は会いに出掛けたいねえ、と妻と話した。
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欲しいものはありますか? 
03/Jul.2020 [Fri] 21:51
阪本さんのところに鍼を打ってもらいに出かけた時に
ハンモックが欲しくて買ったという話を聞いた。
ハンモックと言っても寝るものではなくて
天上から吊るして座るタイプのものらしい。
阪本さんはぼくよりもずっと歳上だけれど元気で活発である。
欲しいものもたくさんあるという。
良いなあ、欲しいものがあるなんて
羨ましいですよ、とぼくは背中に鍼を打ってもらいながら言った。
考えてみても、ぼくが欲しいものはとりあえず何も思い浮かばない。
顔のシミを取るクリームが欲しいと思うけれど
ヒマシ油に重曹を混ぜて顔に塗ってみたら
いつの間にかシミが消えてしまった。
妻は高い化粧品を持っていて
「これは触っちゃダメだからね」
ときつく言われているので触ることができない。
触るとセンサーが付いていて警報が鳴るらしく、
「触ったでしょ?」
と詰問されるのが恐ろしい。
ところが一度消えたシミはいつの間にか復活して
今度はいくら重曹を塗っても消えない。
ネット上ではシミ消しクリームが山ほど売っているけれど
どれが効くのか、まるでわからない。
誰に聞けばいいのかもわからない、というわけだ。
頭の上もだいぶ砂漠化してきた。
近頃はIPS細胞で頭の皮膚を増殖させて髪を復活させる研究も進んでいるらしい。
うーん、しかし、髪があってもなくても結局短く刈ってしまうし、要らないかな? と考えた。
パン焼き器もオーブンがあれば、要らないことになったし
壊れたものは直して使えばそれで良い。
ハンモックは阪本さんが天井からぶら下げたのでこの間座らせてもらった。
ブランブランして楽しかった。だから乗りたくなったら阪本さんの家に行けば良い。
ぼくの家の中は何もないのでガランとしている。
でもこれで充分だ。ガランとしている空間が好きだ。
シミ消しクリームのこと、これは効くよという情報をお持ちの方がいるようでしたら教えてください。お願いします。
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ブラータはうまい。
01/Jul.2020 [Wed] 15:01
オカムシが東京に出かけて
お土産に「ブラータ」という
生のモツァレラチーズを買ってきてくれた。
胃が気持ち悪くてもこれなら
食べられるかもしれないから
ということらしい。
ありがたいなあ、
オカムシちゃんいつもありがとう。
というわけで早速その
ブラータを食べた。
生なので足が早いのである。
何も手を加えずそのまま食べる。
中から柔らかいチーズが
染み出してきて、口の中でとろける。
スプマンテを冷やして
それを飲みながら妻と食べた。
しかしうまかったなあ。
オカムシがどこで買うのか
聞いたこともないけれど
わざわざ買いに行ってくれるわけで
それを思うと頭が下がる。
それに加えて今度は台湾名物の魯肉飯(ルーロウファン)
を作って持ってきてくれる、とも言っている。
材料を揃えるのも大変なのに
肉から煮込んで、八角という香辛料も入れて
作るのだそうだ。
台湾の味は大好きなので、これなら食べられそうだ。
オカムシちゃんありがとう。
良い友達を持って幸せだなあと思った。
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