日本で唯一の屋根に椿の木を植えた店舗から作家、社長、杜氏である谷口英久が綴る抱腹絶倒の「Blog」
また来年会おうね。
30/Jul.2020 [Thu] 15:04
ツバメの子供たちが巣立ちをして
飛んでゆくのを妻が見たのだそうだ。
子供は三羽いて、親に誘導されながら
倉庫の高い窓をくぐりぬけて
行ったという。
そうか、もう行っちゃったのか。
挨拶もできなくて残念だったけど
元気で飛び立っていったのなら
よかった。
その翌日は嵐になって、大雨に台風のような
風が吹き荒れた。
子供たちはこんな時化(シケ)でどうしているんだろう?
と心配になった。
でもまあ、ぼくの心配なんて関係なくツバメたちは
元気に飛んでいるのだろう。
今は虫もたくさんいるし
食べ物にも困らないはずだ。
親鳥から虫の捕り方や、飛び方を教わって
また来年も飛んできてくれよ。
いつか、ぼくたちも、そしてツバメたちも死んでしまうけれど
しかし、人もツバメも新しい命が生まれて来る。
花も咲き、虫たちも飛び、多くの命が
繰り返し、生まれてくることだろう。
そう考えると、心が嬉しくなってくる。素晴らしいことだ。
(原稿を書いてから一月も経ってしまいました。
雛鳥も今は逞しく空を羽ばたいていることでしょう)
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闇の中で光る。
19/Jul.2020 [Sun] 20:25
しいのともしびだけ
が見頃だと友人のオカムシが教えてくれた。
椎の枯れ枝に生える光るキノコのことである。
うちの工場の近所にあるのだそうで
オカムシは夜に一人でこのキノコの
撮影に行ったらしい。
人気(ひとけ)のない神社の近くで
猿もいるしキョンもいる。
マムシ除けに長靴も履いていかなければならない。
頭上から木の葉が落ちてきたりすると
ゾッとするほど怖いという。
しかし、そんなことを言っていたら
光るキノコは見られない、
ということで意を決して出かけたのだそうだ。
見せてもらったものは
本物というより、合成のイラストのように
緑色に光っているキノコの写真だった。
雨が降ったあとは特に元気に育つという。
大島で見られるのは今のところその一箇所だけで
あとはまだ見つかっていないのだそうだ。
「行くか?」
と誘われたけれど、家からは遠いし
風呂に入って一杯飲むと、運転もできないし
まあ、そのうち、ということになった。
写真を借りてここに貼るつけると良いのだけれど
まあ想像してみてくださいよ。
形としてはエノキダケに近いもので
それが闇の中でボーっと光っている。
世の中には不思議なものがあるもんだなあ。
それを見るツアーもあるそうで
へえ、と思った。
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圏外へようこそ!
17/Jul.2020 [Fri] 13:25
岐阜県中津川市に大雨注意報が
出たので渡合温泉は大丈夫だろうか?
と心配になった。
この温泉は中津川から、さらに歩いて三時間半行った
山の中にある温泉宿である。(車で行けばすぐに着くけど我々は車がないのでいつも歩く)
携帯の電波も通らない、電気もこない山の中で
夜はランプの灯りで過ごす。
八年ほど前になるけれど、ここに出掛けて
宿のご主人、奥さん、それに娘さんとも仲良くなった。
さらにここに遊びに来ていて
部屋が隣になった一宮市の若いご夫婦とも仲良くなって
その方とも今でも連絡を取り合っている。
本当にどこに出掛けても良い人に巡り逢えて
幸せなことである。
しかし今回の大雨は土砂災害の心配もあるし
どうしているか、と思って宿の娘さんに
メールを出してみた。
娘さんはその後結婚をされて今は電波の通じるところに
住んでいる。(言い方が変だけど、本当にその通りなのだ)
するとすぐに返事が来て
「温泉に行く道は分断されたけど、それはいつもの
ことなので、大丈夫です、ご安心ください」
ということだった。
胸を撫で下ろした。
宿には衛星通信の電話が通じるので電話をしてみれば
いいのだけれど、お客さんがいて忙しいと悪いし、
と思いながら、毎日掛けようかな、やめようかな、と
過ごしていた。
そうしたら今日になって、奥さんからゆうパックが届いた
というわけである。
開けてみると豆板というお菓子の袋が一つと
新しいパンフレット、それに手紙が入っていた。
奥さんの手紙は本当に素晴らしくていつも嬉しくなる。
今どき手紙のやり取りが出来るのは、この渡合温泉の奥さんだけである。
その文面と美しい字を何度も何度も読み返すのが愉しみだ。
コロナの影響でお客さんも減ったけれど
お客様が心配して連絡をくれること、
そんなに心配をしてくださる人がいることに感激したこと。
もっと頑張らなきゃ、と改めて思ったことが
手紙には記されていた。
手紙を読んだら、声が聞きたくなって思わず電話をしてしまった。
元気の良い奥さんの声が聞こえてきて
しばらく話した。
涙が出てくるのは、歳を取ったからだろうか。
嬉しくなってすぐにでも会いに出掛けたくなった。
今年は会いに出掛けたいねえ、と妻と話した。
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欲しいものはありますか? 
03/Jul.2020 [Fri] 21:51
阪本さんのところに鍼を打ってもらいに出かけた時に
ハンモックが欲しくて買ったという話を聞いた。
ハンモックと言っても寝るものではなくて
天上から吊るして座るタイプのものらしい。
阪本さんはぼくよりもずっと歳上だけれど元気で活発である。
欲しいものもたくさんあるという。
良いなあ、欲しいものがあるなんて
羨ましいですよ、とぼくは背中に鍼を打ってもらいながら言った。
考えてみても、ぼくが欲しいものはとりあえず何も思い浮かばない。
顔のシミを取るクリームが欲しいと思うけれど
ヒマシ油に重曹を混ぜて顔に塗ってみたら
いつの間にかシミが消えてしまった。
妻は高い化粧品を持っていて
「これは触っちゃダメだからね」
ときつく言われているので触ることができない。
触るとセンサーが付いていて警報が鳴るらしく、
「触ったでしょ?」
と詰問されるのが恐ろしい。
ところが一度消えたシミはいつの間にか復活して
今度はいくら重曹を塗っても消えない。
ネット上ではシミ消しクリームが山ほど売っているけれど
どれが効くのか、まるでわからない。
誰に聞けばいいのかもわからない、というわけだ。
頭の上もだいぶ砂漠化してきた。
近頃はIPS細胞で頭の皮膚を増殖させて髪を復活させる研究も進んでいるらしい。
うーん、しかし、髪があってもなくても結局短く刈ってしまうし、要らないかな? と考えた。
パン焼き器もオーブンがあれば、要らないことになったし
壊れたものは直して使えばそれで良い。
ハンモックは阪本さんが天井からぶら下げたのでこの間座らせてもらった。
ブランブランして楽しかった。だから乗りたくなったら阪本さんの家に行けば良い。
ぼくの家の中は何もないのでガランとしている。
でもこれで充分だ。ガランとしている空間が好きだ。
シミ消しクリームのこと、これは効くよという情報をお持ちの方がいるようでしたら教えてください。お願いします。
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ブラータはうまい。
01/Jul.2020 [Wed] 15:01
オカムシが東京に出かけて
お土産に「ブラータ」という
生のモツァレラチーズを買ってきてくれた。
胃が気持ち悪くてもこれなら
食べられるかもしれないから
ということらしい。
ありがたいなあ、
オカムシちゃんいつもありがとう。
というわけで早速その
ブラータを食べた。
生なので足が早いのである。
何も手を加えずそのまま食べる。
中から柔らかいチーズが
染み出してきて、口の中でとろける。
スプマンテを冷やして
それを飲みながら妻と食べた。
しかしうまかったなあ。
オカムシがどこで買うのか
聞いたこともないけれど
わざわざ買いに行ってくれるわけで
それを思うと頭が下がる。
それに加えて今度は台湾名物の魯肉飯(ルーロウファン)
を作って持ってきてくれる、とも言っている。
材料を揃えるのも大変なのに
肉から煮込んで、八角という香辛料も入れて
作るのだそうだ。
台湾の味は大好きなので、これなら食べられそうだ。
オカムシちゃんありがとう。
良い友達を持って幸せだなあと思った。
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藤森照信さんの「情熱大陸」
18/Jun.2020 [Thu] 14:47
6月21日 日曜日
午後11時からmBsテレビの
「情熱大陸」にて
ツバキ城の設計をされた
藤森照信さんの特集が放送されます。

情熱大陸https://www.mbs.jp/jounetsu/

近江八幡の
「ラコリーナ近江八幡」
はツバキ城を大きく発展させた
設計として内外の注目を集めています。
ぜひご覧ください。
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心配することなんてなかった。
07/Jun.2020 [Sun] 14:10
倉庫の天窓を開けておいたら
今年もそこにツバメが巣を作った。
ツバメにとっては天井の高い倉庫の中に
巣を作ることでカラスや蛇から卵を守ることのできる絶好の場所らしい。
ふだんは下の大きな扉を閉めてあるけれど
今日は古い材木と梁を運び込むので扉を開けた。
するとツバメが天窓から入ってきたあとで
どこから出たら良いのかわからないと言ったふうに
倉庫の中を飛び回っている。
薄暗い倉庫の中が急に明るくなったので
窓の位置が分からなくなってしまったらしい。
もう卵も産んで、あとはヒナが孵るのを待つために
温めている時期なのに、混乱させてしまうのは
可哀想だ。
しかし、倉庫だから、やはり扉を開けることもある。
急いで仕事を終わらせたいけれど
梁を運び込む作業に手間取って
ずいぶん時間がかかってしまった。
夕方になってツバメの夫婦は大丈夫だっただろうか?
と心配になった。
天窓から出入りする姿が見えなかったからだ。
ところが今朝になると、また元気よく天窓から
出てくるツバメの姿を目にした。
よかったねえ、と胸を撫で下ろした。
妻にそのことを話すとやっぱり
ホッとしたような顔をしていた。
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焼酎も好きです。ビールも好きです。3
26/May.2020 [Tue] 15:52
ビール会社の朝は早く、五時くらいからみんな来て
働いているらしい。
しかし、その家から歩いて工場まで行くのには
40分は掛かる。
4時半だとまだ外も暗い。
それで、6時半ごろに工場に着くように、家を出る習慣がついた。
五月だというのに朝はまだ寒く、
道路には耳の大きな犬のような動物がうろうろしていた。
なんだろう? と思って近づくと逃げてゆく。
あとでそれがコヨーテだということがわかった。
子供が襲われたりもするので油断はならないのだそうだ。
一月ほど、その工場に通った。
色々なことを年下の人たちに教わった。
マネージャーも歳下だったけれど、真面目な人で
尊敬できる人物だった。
「お前のおじいさんは110年前にシアトルでソーダを作っていたけれど
今はお前がここでビールを作っているんだな」
と働いているみんなに嬉しそうに言われた。
その会社も今回のコロナウィルスの騒動で
とうとう破産宣告をして、会社を身売りすることになったのだ
とマネージャーからメールをもらった。
あんなに良いものを造っている会社が破産宣告をするなんて信じられないけれど
しかし、それが現実なんだ。
すぐにでも飛んで駆け付けたいところだけれど
今は何もできない。
社長にも可愛がってもらって、夕食をご馳走になったこともあった。
寂しいことである。
その話を聞いて泣きそうになった。
現実はとても厳しい。
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焼酎も好きです。ビールも好きです。2
23/May.2020 [Sat] 13:26
その会社の近所には適当なホテルもなく、
人の家の一部屋を間借りして過ごす方法が一番良い、
ということになり、そこから歩いて通った。
しかし、これがなかなか大変で
なにしろ人の家だし、その家族とも常に顔を合わせる。
その都度コンタクトを取らなければいけない。
でもまあ、それはそれ。
一緒にご飯を食べたり、週末には
その家族の友達が来てパーティーをするので
一緒に飲もう、ということにもなった。
そこで近所のスーパーから生牡蠣を買ってきて
それをナイフでこじ開けて、彼らと一緒に食べた。
犬がいて、夕方の散歩は僕が引き受けた。
犬とはずいぶん仲良くなった。
そんなこともあって、その家族ともずいぶん打ち解けた。
(つづく)
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子持ちカレイを焼いて食べた。
16/May.2020 [Sat] 9:03
新島のM原さんが港に居酒屋を出店した。
夢の中の話である。
M原さんは新鮮な魚を活きたまま発泡スチロールに
入れてそれを店の前に並べてある。
客はそれを選んで料理をしてもらうシステムらしい。
魚はまだピチピチ跳ねて活きが良い。
「もう今日は終わりだからこれなんか安くしておきますよ」
M原さんにそう言われて子持ちカレイを一匹勧められた。
焼くと美味しいのだそうだ。
うーん、こんなに活きが良いのに焼いちゃうの?
と思ったけれど、美味しそうなのでそれを頼んだ。
M原さんは焼酎の蔵元で、その仕事はどうしているのか?
訊いてみると、昼間は焼酎を造って
夕方からこの仕事をしているという。
「タニグチさんもどうですか?
とりあえず喰えますよ」
とM原さんは嬉しそうな顔をして言った。
しかし自分は今元気がないし
それに夕方から二つ目の仕事を始めたら
寝る時間も無くなってしまう。
「うーん、俺は今は無理かな・・・」
と答えた。
とりあえず子持ちカレイを焼いてもらって
あとはお刺身も頼んだ。
M原さんは長い包丁を操って、刺身を盛り合わせにしてくれた。
「大したもんだねえ」
と言うと
「いやいや、まあ」
と言いながら焼酎のソーダ割りを
「じゃ、かんぱーい」
とグラスを高く挙げてグビッと勢いよく飲んだ。
白い長いゴム挽きの前掛けと、白い長靴、
頭にはタオルの鉢巻きも締めている。それがよく似合っていた。
目が覚めてから
「ああ、何かおいしいものが食べたいんだなあ」
と自分のことを想った。
あとは仕事のことを心配しているんだろう。
酒造組合の仲間も焼酎が売れなくて
みんな大変そうだ。
もちろんうちだって売れない。
今はこんな時期だし、そういう心配事が夢に出てきたんだ。
M原さんは救いの神だろう。
いつも元気で、組合のみんなを引っ張ってくれる。
子持ちカレイ、美味しそうだったなあ。
あれはお醤油ではなくて
阪本さんの塩をかけて食べたい、と思った。
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