日本で唯一の屋根に椿の木を植えた店舗から作家、社長、杜氏である谷口英久が綴る抱腹絶倒の「Blog」
ごめんね、ごめんねー。
20/Jun.2021 [Sun] 14:33
アボカドの実をよく食べる。
キュウリが美味しくなってきたのでこれを細く切って、トマトも加えてオリーブオイルと塩で食べる。塩は阪本さんの塩でこれがまた美味しい。
このあいだふと、そうだ、このアボカドの種を植えて育てたら楽しいんじゃないかなあ、と思った。
近所のガソリンスタンドのよしあきさんがアボカドの種から育てて大きな木になりつつあるのを見せて貰ったのだ。
よしあきさんはそのアボカドの木を大切にしていて、見せてくれるときも「ほら、かわいいでしょう?」というふうに見せてくれた。
それで自分もやってみる気になったのである。
よしあきさんが言うには種に爪楊枝を3箇所刺して、その半分を水に浸けておくと根が出てくるという。
それでやってみたけれど、いくら待っても一向に根はでてこない。
変だなあと、思って妻に聞いてみると、「これ上下が逆さまじゃないの?」ということ。
たしかに言われてみればそんな気もする。種の尖った方を水に浸けていたけど、そうじゃなくて平な方から根が出てくるんだ。
そうかこれじゃあ根も出てこないよな、と思った。
ごめんねごめんね〜、と種に言って、平らな方を水に浸けた。
さあ、根が出るかどうか、その日を心待ちにしている。
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ムカデの季節
09/Jun.2021 [Wed] 14:41
土の入っている袋の中に手を入れたら何かに噛まれた。
右手の中指をぐるっと抱き込むようにして針のようなもので刺された。
慌てて手を引っ込めたけど、これは危ない。
姿は見えないけれどムカデか何かだろう。
指はすぐに腫れてきて、こりゃ大変だ、梅干しはなかったか妻に聞くとないという。
オカムシのところにはないか電話をしてみると
「ないけどね、ムカデに刺されたら50度以上のお湯に10分くらい指を浸けておくと毒が中和されるからやってみ。熱いけど我慢してやると治るよ」
ということ。
そこで湯呑みにお湯を入れて温度計で測りながら指を入れる。
すでに指はだいぶ腫れてきて、関節が曲がりにくくなってきている。お湯はたしかに熱くて、入れたり出したりしながら我慢をした。刺されたところがじわじわと痛む。
途中で役場の水道課の人が来て、事情を説明して湯呑みに指を入れたまま外に出て話を聞いた。
ムカデは怖い、指を刺されても腕全体が腫れあがるとその人も言っている。
そんなわけで20分くらい指をお湯に入れておいた。
痛みがだいぶ引いてきて、おお、これならなんとかなるんじゃないか、と思った。
その間に隣の家に梅干しが無いか聞いてみると、おじさんはちょうどお昼を食べているところでモグモグしながら梅干しをくれた。それを患部に付けて過ごす。効いているなぁ、と実感する。
まだ、腫れているけれど、指も曲がるし、腫れもさっきよりは引いてきたように思った。
オカムシから電話がかかってきて、「どう?」ということ。
「だいぶ良いよ」
と答えると
「梅干しよりは効くはずだ」
ということ。
いや、オカムシちゃん梅干しも効くんだよ、と言うけどまるで信じていない様子。
夜になるとまだらに腫れていて、
痛みや傷に効く泥を塗った。この泥にはなんと言ったか、そうだトルマリンという石の粉が混ぜてあって、傷には抜群に効くのである。
さあ、明日はどうなるか、治ると良いな、と思いながら寝た。
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セーラー服を着たおじいさん
29/May.2021 [Sat] 9:33
セーラー服を着たおじいさんにとても親切にしてもらったよ、と妻が帰って来るなり言った。
荷物をたくさん持って歩いていると、そのおじいさんが荷物を持ってくれたのだそうだ。
おじいさんコスプレしていたのかな? と言ったらおじいさんじゃなくて「お嬢さんだって言ってるでしょ? 」と妻は言う。
どうも耳がおかしいらしい。
今朝はラジオを聞いていたら「自己満足の父」と言われる作曲家がいてその人の曲を今から流すと言っている。
「へぇ〜、自己満足の父でもこうしてラジオから曲が流れるのか?」
と言ったら
「チェコ音楽の父」だよ、と妻に言われた。
ま、でも、面白い耳になったので朝から楽しめる。耳というより脳の問題かもしれないな、と思った。
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楽園を探して歩く。
09/May.2021 [Sun] 6:53
ゴダイゴにガンダーラという歌があって
ときどき聴く。
そこに行けばどんな夢も叶うという場所、そこがガンダーラ。誰もが行きたいけれど遥かなる遠い世界、誰もたどり着けない場所、という歌詞だ。
若い頃はそんな場所が本当にあるのか、
あるのなら行ってみたいと思っていた。
ここではないどこかを夢見て
世界中を旅して歩きたいと思った。

旅をすることは楽しいけれど
辛いこともたくさんある。
まず言葉がわからない。
スリに何かを取られたり、
入った部屋が汚かったり、
親切を装って騙されることもよくある。
出かける前には山ほど仕事を片さなければならない。
けれども、旅はそれ以上に楽しい。
旅に出て友人もたくさん出来た。
けれどもガンダーラのような楽園はまだ見つかっていない。
本当はそんな場所はないのである。
ここが楽園なんだ。
自分のいる今、この場所が楽園なんだ。
お金がなくても住む家がみすぼらしくても構わない。
ぼろぼろの服を着ていても構わない。
それと幸せは結びつかない。
幸せは自分が決めることで
それを見つけるためにあちこち探す必要もない。
なりたい、と思う自分を追いかける必要もない。
自分の今の境遇を見つめて
「もっとこうしよう」
「あれもやりたい」
「この人生を変えたい」
といつも考えていた。
しかし、もう十分に幸せなんだ。
やりたいことがあるのならやれば良い。
でも今のままでも十分に幸せなんだ。
そんなことを言っている本や歌がたくさんあるけれど
読んでも聴いても、頭の中で空回りするだけで
本当の意味がわからなかったのである。
どうしてわかったのか、というと肩が痛くて苦しんでいる時は
自分を取り巻く環境が地獄のように思える。
ところが痛みが引くと天国のように感じる。
つまり、自分がそれを決めていたのである。
分かって良かった、と心の底から思った。
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停電の夜
20/Mar.2021 [Sat] 6:17
家に帰ると電気が点かない。
今日は早く帰ってきたので少しゆっくり出来るなと思ったのだけどこれは困った。
姉に電話をして聞いてみると四時半くらいから停電になってしまったらしい。
暗くなってきたのでロウソクに火を灯して、寒いのでガスボンベのストーブで暖を取った。
エアコンは便利だけどこういうことがあるので他の設備も用意してある。
外はどんどん暗くなって、とうとう日が暮れてしまった。
こりゃだめだ、囲炉裏に火を入れよう。ガスは点くし、水道も出る。電気が無くて困るのは風呂に入れないことだ。
主な燃料は灯油だけど電源がないとボイラーが炊けない。
炭を火起こしに入れてガスで火をつけた。
ものすごく静かで、流しから水滴の垂れる音が聞こえる。それから炭のはぜる音と共に炭の匂いが闇に広がってゆく。
ロウソクの灯りだけではほとんど見えないので懐中電気をつけて必要なことをする。
六時を過ぎてもまだ電気は来ない。妻にご飯を作ってくれないか聞いてみる。
ブロッコリーを茹でてツナのサラダを作るつもりなんだそうだ。
懐中電灯の光の中で鍋の湯気が盛り上がる。火山の爆発のようだ。
停電はこの近辺だけらしく、道を隔てたすぐ上は街灯も点いている。
しかし困った。
もう来るか、と思いながら電気を待つけど、来ない。
いつ頃復旧するのか東電に電話をしてみたけど、調査中だということだけで埒があかない。
囲炉裏の前で寝転がってぼんやりする。寝てしまいそうだ。
お風呂に入りに温泉に行こうか? と思いまだやっているのか温泉宿に電話をしてみた。
一軒はものすごく感じが悪く、その応対にびっくりする。
三原山の上にある温泉はまだ入れるということで、車で行ってみることにした。
混んでいるとコロナ感染が怖いけど空いているということ。
車で小一時間走れば着く。
わーい温泉だ。たまには良いよね、と妻と話す。
ところが山を登り始めると霧が出始めて道が見えない。
ホテルがどこにあるのか、その入り口も見えないくらいの霧となってしまった。道の両端にある反射板を頼りにのろのろと走った。一度温泉の入り口と間違えて、変な道に入りそうになって慌てた。バックをしようにも何も見えない。かと言ってUターンが出来るほど広くもないからだ。こんなところでU字溝にでもタイヤがはまれば身動きが取れなくなる。危なかった。
こんな日もあるよね、と妻と話した。
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いやはやおじさん今日も奮闘。
04/Mar.2021 [Thu] 15:49
エアコンの修理の人が東京から来てくれた。
こちらの仕事が終わるのを待ってもらい、帰る時間に合わせて家の前で落ち合った。
急いで家の中を片付けて玄関にスリッパを揃えて、家に入って貰った。
「あ、恐れ入ります」と言って修理の人はそのスリッパを履いた。
マスクをしているのでわからないけれど若い男の子というような風情である。
「エアコンはどこに?」と聞かれたので正面の部屋を指して「あそこです」と言った。玄関から板の間が続き、そこに食卓がある。障子を隔てて畳敷きの六畳間があって、そこに設置してあるエアコンが壊れたのだった。
修理の人はそのままスリッパを脱がずに畳の部屋まで入ってしまった。
(あれ? 慌てているのかな? )と思ったけれど、そういう様子でもなくスリッパは脱がないまま部屋の中を歩き回っている。
そうか、畳の部屋ではスリッパを脱ぐことを知らないんだ。
日本に来る外国人ならマナーも勉強していて、靴を脱いで玄関から入る。畳の部屋ではスリッパを脱ぐことも知っている人が多い。
多分この修理の人は畳のないマンションの家で育って、そういうことも知らないのだろう。
「ここまで来たか」と思ったけれど、面白いものを見た気持ちがした。
文化やしきたりはどんどん変わる。畳のない家で育てばその使い方や作法だって知らなくて当然だろう。
いやびっくりしたな、もう。
若い人がこれを読めば「何言ってんだ。このオヤジは?」ということになるんだろう。
まさにいやはや、という気持ちである。
世の中はどんどん変わっていく。
こんな田舎に住んでいてもそれを実感することが起きて、文化の違いに驚かされる。
なんでも対処していかなければいけないんだろうけど、まさに(いやはや)という気持ちだ。
いやはやおじさん、頑張れ〜。
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眠るときに耳栓しますか?
20/Dec.2020 [Sun] 9:54
急に寒くなってきたせいか風が強く吹いている。
そのせいで屋根の修理をする夢をずっと見ていた。
屋根がバタバタ音を立てていて、その箇所を探しているのだけれど、どうしても見つからない。
たしかあそこだったはずだけどなぁ? と思いながら屋根に登っても壊れているふうではない。変だなあ、ここじゃないのか? と思ってまた別の場所を探す。
音はたしかにバタバタ聞こえているので、そこを直しておかないとまた屋根が飛ばされてしまう。
そんな夢だ。
音が聞こえているのは現実で、風で煽られたベニヤ板が一度持ち上げられた後で、元に戻る。その時に大きな音がするのである。
太い針金で縛ってあるので飛ばされないとは思うけれど、これだけ強い風が吹くと煽られて音を立てるのだ。
眠ってるあいだにその音を聞いて、夢の中で修理箇所を探しているのだろう。
屋根に登って修理をしなきゃと思いながら焼酎の仕込みに追われて帰ってくるともう真っ暗になっている。倉庫の屋根は波板スレートという部材で、それを発注して取り付ければ良いのだけど、台風以降その部材が手に入らない。仕方なくベニヤ板を張って、針金で縛ってある。一人でやった素人の仕事なので雨さえ凌げれば、というくらいの工事だ。
家に帰るとまた風が吹いてベニヤ板がバタバタしていた。今日は耳栓をして寝よう、と思いながら、それも忘れてしまいぐっすり眠った。
なんだよ、耳栓必要ないじゃん?    
と朝起きてから思った。
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お元気ですか?
13/Dec.2020 [Sun] 7:17
谷中に住んでいた頃のことを急に思い出した。
母親が亡くなったあとそれまで二人で暮らしていた部屋を引き払い、改めて谷中にアパートを借りて一人で暮らし始めた。
癌の末期だった母親が亡くなって、
死ぬということはどういうことなのか
初めて真剣に考えることになった。
生きていた人が急にこの世からいなくなることが
本質的にはどういうことなのかわからなかった。
これからどうやって生きて行くのか
それも改めて考えなければいけない時期に来ていた。
原稿を書きたいと思っていたものの、どうやってそれを仕事に結びつければ良いのか? まるでわからなかった。とりあえずどこかで
働かなければならない。
アパートの近所に洒落た喫茶店があり、ここのコーヒーが美味しかったので
働かせてもらえないか、聞いてみた。その店の扉を押すまで、ずいぶん時間が掛かった。
当時ぼくは24歳で、歳の近い若い子が多く働いていた。
その人たちは今どうしているんだろう、
と急に懐かしく思い出したというわけである。
その中の誰かといまだに連絡を取っているわけでもなく
みんなあだ名で呼び合っていたので
本名も思い出せない。
店長だった佐藤さんの名前は覚えているけれど
マヤちゃんやコンちゃん、ニキちゃんは
どうしているんだろう? と思った。
もうそれぞれ家庭を持って、お孫さんがいる人も
いることだろう。
あの頃はお金もなくて、毎日部屋で原稿を書くことだけに
必死だったなあ。書きたくてもうまく書けないことの方が多くて、自分でもどうしたらうまく書けるのか、途方に暮れることが多かった。お金がなくて困ったなぁと思って歩いている時に保育園で遊んでいた女の子が寄ってきて金網ごしに「大丈夫よ大丈夫だから」と言ってくれたことがあったっけ。不思議なことだったけれど、そうか、大丈夫なんだ、と思った。
あれからもう三十年も経ったわけか。早いもんだなあ、本当に昨日のことのようだ。
コーヒーの勉強もずいぶんして、それが今の焼酎造りの役に立った。人生何が起きるかわからない。懐かしい思い出である。 
今日は夕陽がきれいだった。
ヒヨドリの群れが青い空を飛んでいった。それをいつまでも見つめていた。
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まるで犬みたい。
08/Dec.2020 [Tue] 13:33
エアコンの暖房が効かなくなってしまった。
先週は動いていたのに、今日になったらちっとも温かい風が出てこない。
それでもジーっとその前で待っていた。壊れているのにそれに気が付かないまま座っていることに気がついて、「犬みたいだな」と自分のことを思った。
しかし困りましたね。このエアコンの会社は島の中には業者がいないので、東京から出張修理を頼まなければいけない。
まず型番を調べて、電話をしなきゃと思いつつ帰ってくるとお風呂だ、洗濯だ、洗濯物を干して、乾いたものを畳んで、お風呂掃除。やれやれそれが終わってから一杯飲むともう眠くなってくる。
という繰り返しで型番を調べるだけで三日も掛かってしまった。
島に出張修理となるとその人の船賃もこっちで負担するのかな? 嫌だなと思いながらまた何日か過ごした。
まぁ灯油ストーブでもいいか、しかしそれも臭くて面倒なので家の中でダウンの上下を着て過ごしている。
焼酎のもろみは冷え込まないように厳重に暖房を入れているのに自分は家の中でダウンを着て寒さを凌いでいる。
いつになったら直るのか、だからまず電話をしなさいって、話はそこからだろ? と自分に突っ込みを入れている。
ああ、型番を調べなきゃ、って、夢の中でも考えている始末だ。
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びがたりない。
06/Dec.2020 [Sun] 14:57
交通安全週間になると道路脇に看板がやたらと立つ。
誰が作るのか五七五に習った標語が白い看板に太い黒字で書かれている。
それが漢字を使わずみんなひらがなで書いてあるので読みにくい。
字が書いてあるとつい読んでしまうのだけど、ひらがなだと一瞬で読めない。運転中によそ見をするので危ない。
気をつけなくちゃと思いながら帰り道にまたそれを見てしまう。馬鹿だなあ、と自分のことを思う。
標語といってもシートベルトをしようとか、運転中にスマホを見ると危ないとか、車の影から人が飛び出すから気をつけよう、とかそういうものを俳句風に書いてあるのである。
その中にひとつ気になる看板があって、「飛ひ出すな左右確認忘れずに」というものなのだけど、「飛び」の「び」に点が振ってないのである。書体は荒ぶる魂のような渾身の看板なのだけど、びの点が抜けてしまっている。
最初は、なんだか変だなあと思って仕事の行き帰りに横目で眺めていた。そのうちに「あ、びの点がないんだ」ということに気がついた。しかし、看板を見ている間は必ずよそ見をしているわけで、これも運転手泣かせだなぁ。
墨を用意して、車を降りてひに点を入れたいけど、こういうことをすると道交法違反になるのかもしれない。他の看板は安全週間が終わると同時に撤去されたけど、この点抜けの看板だけはいつまでも飾ってある。偉い人が書いたものなのかもしれない。
「まーた細かいことをタニグチが言っているよ、あいつは本当に細かい」と言われそうだけど原稿を書く身としてはこういうことは気になって仕方がない。
誰がこの看板に点を入れてくれー、と会社の行き帰りにそう思っている。
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