日本で唯一の屋根に椿の木を植えた店舗から作家、社長、杜氏である谷口英久が綴る抱腹絶倒の「Blog」
朝の愉しみ。
04/Aug.2020 [Tue] 14:52
毎朝お粥と梅干し、それに味噌汁を
食べる。
しかしこの梅干しが酸っぱくて
食べると必ず唇がすぼまってしまう。
農薬を使わない梅を使って梅干しにしたもので
その「訳あり」の商品を買っている。
訳ありなのでその時によって
汁が多かったり少なかったりするけれど
酸っぱさについてはいつも同じように酸っぱい。
それでもう少し酸っぱくない梅干しはないものか?
ネットで探してみると
高級梅干しには「蜂蜜入り」という商品があることに
気がついた。
それなら今食べている梅干しに蜂蜜を入れたら
酸味が緩和されるのではないか?
と思いついた。
一袋ぜんぶの梅干しに蜂蜜を入れると
妻に怒られるので
小皿に梅干しを一つだけ取ってそれに蜂蜜をかけてみた。
どうかな?
おおー、確かに酸味が取れて
おいしくなった。
何だか高級な味になったように思った。
良かった。これで毎朝のご飯の楽しみが増えた。
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うーむうーむと羽付き餃子。
11/Jul.2020 [Sat] 21:45
東京に出かけたら、羽付き餃子を食べに行きたい、というのが近頃の夢になった。
もう十年くらい前になるかもしれないけれど蒲田の羽付き餃子の元祖と呼ばれる
お店に行ったことがあった。
店主が深夜のラジオでその店を作る経緯を話しているのを聞いて、
行ってみたくなったのだった。
素朴な店で、町の寄り合い所みたいな店だったけれど
その羽付き餃子は美味しくてびっくりした。
それを急に思い出したというわけである。
今回は池袋に用事があるので
その近辺の羽付き餃子の店を調べてみると
四軒くらい候補が上がった。
まずはヤンさん姉弟が作る水餃子と汁なし坦々麺の店
というのがあるらしい。
うーむ、しかし、今回は焼き餃子が食べたいのである。
しかし、汁なし坦々麺は四川の味で
花胡椒が効いてうまいのだそうだ。
迷いますね。
あとは永利本店の鉄鍋餃子。
これは大きめの餃子にたっぷり羽根がついているという。
これも美味しそう。
それから東口に出て大連餃子房だったかな、
ここの羽付き餃子も負けず劣らず美味しいという。
もう一軒、博多餃子舎鉄鍋という名前だったか
丸い鉄鍋にぐるりと焼き餃子が並んでいるお店があって
しかしここは夕方五時からの開店なので
行くのがちょっと難しい。
ランチタイムに行きたいのである。
しかしですよ、あなた胃が気持ち悪くて
そんな油のたっぷりした餃子なんて食べられるの?
餃子を一品だけ頼むのではお店にも迷惑だろうし
何かもう一品くらいは注文しないといけないんじゃないでしょうか?
うーむ。連れがいればそれも可能だけれど
妻は餃子はあまり好きではなく
行くとしても自分一人である。
うーむ、うーむ、考えてしまいますよね。
そこら辺を歩いている人に声を掛けて
「餃子を一緒に食べませんか?」
と言っても白い目で見られておしまいだろう。
それに無理をして食べて、後でまた具合が悪くなったらどうします? 
体調を整えてから行くのがよろしいかと存じますが? 
と妻は無言で言っている。
しかし世の中には荒療治という方法もあってですね、
昔、お世話になった庭瀬先生は「胃潰瘍になったら焼肉を食え」
と言っていたのである。
(そう言いながら庭瀬先生は胃がんで亡くなった)
だから案外調子が良くなるかもしれないよ?
と心の中では思ったりもした。
とりあえず興奮しておしまい。
(つづくとすれば食べてから)
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晩ご飯の愉しみ。
27/Jun.2020 [Sat] 15:12
相変わらず胃が気持ちが悪いので
食事が進まない。
進まないけれど、何か食べなければ、
ということで近頃は夕飯にピザを焼いて食べている。
ピザの生地を自分でこねて、発酵させたあと
それを薄く延ばす。
均一に延ばさないで、スプーンを使って
わざとデコボコにして焼くと美味しくなることがわかった。
そこにオリーブの実、
挽きたての胡椒、塩、トマトソース、チーズを載せて焼く。
焼くのはトースターだけど、これが結構うまく焼ける。
小さな四角形のピザでそれを妻と半分こにして食べる。
野菜の何かを一品、妻が作ってくれてそれも一緒に食べる。
パン焼き器を持っていたのでそれでピザの生地を
こねようと思っていたら、壊れてしまったのか動かない。
それで仕方なく自分の手でこねてみたら
うまいこと発酵したので以来、そうしている。
夕方、家に帰ってから、お風呂に入るまでの
ちょっとした時間を使って、生地を作るのが
楽しみになってきた。
粉は農薬を使わない全粒粉のものがあるので
これなら食べても安心だ。
近頃は生地をこねるのが上手くなってきて
焼いたピザが美味しくなった、と妻に褒められた。
老夫婦の小さな愉しみ、といった風情である。
このおかげで体重が一キロ戻った。
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おーい、元気か?
23/Jun.2020 [Tue] 13:35
台湾の友人はコロナ騒ぎでどうしているのか
心配になって電話をしてみた。
友人は小朱と言って、台北で串焼き屋を営んでいる。
その串焼きがもの凄く美味いので
毎晩通っているうちに仲良くなったというわけである。
初めは屋台だった店が、そのうちちゃんとした店になり
店舗を構えるにあたってロゴを作ってくれ
と頼まれた。
妻はデザイナーなので小朱の顔をイラストに起こして
キャッチーなロゴを作った。
それが気に入ったのか以来ずっとそれを使ってくれている。
台湾に出かけるとまず小朱の店に顔を出す。
親戚一同との会食にも呼ばれて
御馳走も食べる。
小朱のお母さん、小朱の子供たちが三人、
妹の家族五人、その下の妹と子供、
おじさんの一家、おじさんの孫たち
それに小朱のいとこの一家、
全部合わせるともの凄い数になる。
初めはそれが誰なのか判らなくていちいち誰なのかを聞いていた。
初めて宴会に来る人もいて、けれども
彼らは恥ずかしいのか、自分が誰なのか名乗らない。
そこでぼくから挨拶に行く。
すると途端に打ち解けて、もの凄く嬉しそうな笑顔になる。
ぼくも嬉しい。
そんなことが二十年以上にわたって繰り返されて
今や、大団円の宴会となっている。
あとは小朱の店が終わった後、夜中から路上にテーブルを出して宴会をする。
近所から小朱の友達が集まってきて
ビールで乾杯をするのである。
食べ物はそれぞれが持ち寄って、ビールもそれぞれが
買ってくる。
釣りに行ってきたと言って、お刺身をその場で作る人もいるし
魚を焼いて食べさせてくれる人もいる。
たいして言葉がわかるわけでもないけれど
とにかく一緒にいると楽しい。
初めて会った時は生まれてもいなかった子供が
今はもう大学生になっている。
こうなるともうほとんで親戚で、
自分は前世ではこのあたりに住んでいたのだろうと
近頃はそう思っている。
中国のアモイは台湾の対岸で、中国に行くと
「アモイ人か?」
とよく聞かれる。
日本人か? とは言われないので、まあ顔つきからして
この辺りの人間なのだろう、と思った。
前置きが長くなったけれど、とにかく
小朱に電話をしてみた。
「台湾に来ているの?」
と電話に出た奥さんが言うので
「今は台湾に入国できないよ」
と言うと
「あら、そうなの?」
と不思議そうな声。
入国制限のことを知らないのかもしれない。
そのあとで小朱に代わってもらう。
「仕事はどう?」
と訊くと
「大丈夫」
だと言うこと。
「こっちは全然ダメだ」
と言うと小朱も
「こっちもダメだよ」
と言う。
まあ今はダメだよな。
でも声が聞けて嬉しかった。
またすぐに会おうね、と言って電話を切った。
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きみは「うな牛」を知っているか?
23/Jul.2018 [Mon] 18:37
浜松町から竹芝桟橋に向かって歩いていると
丼屋の看板が目に入った。
「うな牛」という字が見えて(なんだろう?)と思った。
写真も一緒に付いていて、
鰻の蒲焼の脇に牛肉が載っている。
(うーん・・・)
鰻だけで良いと思うけど、そこに牛肉。
重すぎる。
鰻ならなんとか消化できるけど
そこに牛肉も、というのはちょっと。
胃が過激に反応して、もだえ始めてきた。
横にいた妻に
「うな牛だって」
と言うと、やっぱり同じような表情をしている。
若い頃なら飛びついただろうか? うな牛。
いや、鰻と牛の食感がまず違うから、同じような
感触では食べられないのではないか?
鰻の歯ざわりは格別で、まず前歯で噛んでやわらかさを
味わったあとで、今度は奥歯でそれをもう一度愉しむ。
米粒と鰻の歯ざわりが絶妙なハーモニーを生み出すのだ。
そこに牛肉が入ってきても、もう楽しめる余地がない。
喰えばいいってもんじゃない、と思うけど、
こういうことを言うと近頃は炎上するんだそうですね。
まあ、どっちにしても食べないのだし、鰻だって
近頃は滅多に食べない。
脳の中であの食感とタレの味わいを再現して
(美味しいだろうなあ)とは思うけれど
実際に食べると胃が苦しいので、まず手が出ない。
たいていのことはすぐに忘れてしまうのに
一日経ってもまだ忘れないのは、よっぽど衝撃だったんだろう。
暑いので、日に日に体重が落ちてゆく。
身体に付いたよけいな肉が削げて、動きやすくなった。
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どんな朝が来るか? 
07/Sep.2016 [Wed] 18:47
アボガドとトマトのサラダが余ったので
翌朝の味噌汁にどうか? と考えた。
どうか? も何も、夜に食べる野菜がそのまま
翌日の味噌汁の具になるのである。
トマトはよく味噌汁の具になるので
どんな味になるか、予想がつく。
しかし、アボガドはどうかなあ? と思った。
予想通り、まるで美味しくなかった。
そこで、アサリを投入した。
出汁を効かせればなんとかなるのではないか?
と寝ぼけた頭で思ったからだった。
アサリは真空パックになっているので
封を切って入れればいい。
とにかく、この具でなんとか食べられるものに
しなければいけない。
作り直している時間はないのである。
父も待っているし、我々もご飯を食べて
仕事に行かなければならない。
アサリを入れたら、なんとなく、食べられるような
味になった。
急いでそれをプラスチックの容器に入れて
父のところに持っていった。
父はそれを一口食べて、目が泳ぐような顔になった。
なんの味なのか、わからないようだった。
「こりゃ、なんだろう?」
と言って熱で黒ずんだアボガドを箸でつまんだ。
「アサリだよ」
とぼくは言った。
「アサリ? これが?」
父はそう言って、アボガドを口に入れた。
「そうだよ。美味しいでしょう?」
ぼくは言った。
「そうかなあ?」
と父は言った。首を傾げている。
「ほら、もう一回食べてみてよ?」
父は味噌汁を啜った。
「うん、アサリの味がする」
「そうでしょ? アサリだもん。ね?」
ぼくが言うと、父は
「うん、うまい」
と言った。
やれやれ。
次は妻だ。
妻は昨日、このサラダを作ったわけで、言ってみれば
味噌汁で何が起きているのか、わかっているはずだった。
「アボガドの味はちょっとヘンだけど、
アサリの味もするから」
とぼくは言った。
妻はふーん、という顔をして、味噌汁を飲んだ。
それから
「うん、美味しいじゃん」
と言って口の端に含みを持たせた顔で、笑った。
こういう朝もあるよな、と二人でぼそぼそ呟くように言った。
しばらく何も話さないまま、二人で味噌汁を音をたてないですすった。
「あ、雀が来た」
と妻が言った。
窓の外に雀が何羽も来て、ご飯をついばんでいるのが見えた。
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消えなかった。
13/Jul.2010 [Tue] 7:26
東京から戻ってきた妻が「天むす」を買ってきてくれた。
「天むす」は名古屋名物のおにぎりのことである。
小さなおにぎりに、海老の天ぷらが載っている。
昔は名古屋に行かないと買えなかったけれど、今では東京でも買うことができる。
「天むす、買ってきたよ」
と妻に言われて、妻のかばんの中を探してみた。
ふだんは何も探せないのに、こういうものはすぐに見つける。犬になったような気分である。
冷蔵庫に入れてあったらしく触ると固い。そこで電子レンジで温めてみた。
今度は熱すぎる。
どうしてこう、丁度良い加減にならないのかなあ? と一人で思う。
「温め、弱」にしても、ぼくには熱い。「弱の弱」という機能を付けたらどうか? と思う。
俺が社長ならそうする、と妻に言うと
「あんた、社長じゃないから」
と言われた。
食べるとカレーの味が、したように思った。
勘違いだろ? と思いながらいろいろなことを考えた。
電子レンジで前にカレーを温めたので、おにぎりにカレーの味が付いたんじゃないか? と思った。
しかしカレーなんて食べていない。
変だな? と思っておにぎりの包まれていた袋を見ると「カレー味」と表示されている。
犬が来て、
「それなーに?」
と訊かれた。
「カレー味の天むす」
と言った。
「ちょーだい」
と言うので、人差し指くらいの大きさだけあげた。
「もっと、ちょうだい」
と言うので、
「いやだ」
と言った。
カレー味と天むすが頭の中でうまく合わないので目をつむって、カレーの味が消えるように、と思うようにしてみた。
消えなかった。
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噴火する寸前の火山と妻。 
14/Aug.2007 [Tue] 7:01
妻の首に汗疹(あせも)が出来てしまった。
工場にも店にも冷房がないので
汗をかいて仕事をする。
机に向かって仕事をしていても
汗が喉のまわりから滴る。
見せてもらうと喉仏の下のあたりが赤くなっている。
ぽつんぽつんと小さな湿疹が盛り上がって
噴火する寸前の火山のように見える。
そこで、工場のまわりに生えているドクダミの
葉を掘ってきた。
これを煎じてみたら、きっと効くんじゃないか?
と思ったのである。
仕事をするのは億劫だけれど
こういうことをするのは、なんだか楽しい。
煎じる、といっても、硝子の容器に葉っぱと根っこを
入れて、煮るだけである。
火にかければそれで終わりだけれど
いつまでも、その火を見ていた。
汗が身体を伝って流れ落ちてゆく。
ドクダミの匂いが、台所に溢れてゆく。
強烈だけれど、嫌な匂いではない。
十分くらい火にかけたあとで
(なんだか美味しそうだなあ)
と思った。
汗疹にはそのお茶を塗れば良いけれど
きっと飲んでみたって良いに違いない。
うーん、旨い。
こりゃいける。
さて、仕事だ。
忙しいぞ。
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毒キノコの甘い誘惑
06/Aug.2007 [Mon] 19:34
東京のアパートに戻ってくると
ベランダに置いてあるオリーブの樹の脇に
白いキノコがいくつも生えていた。
マッシュルームによく似た形をしている。
土から取ると、自家製酵母を使った
焼きたてのパンのような良い香りがした。
腹が減っていたので、食べてみたい衝動に駆られた。
「食べてみようか?」
と妻に訊くと、
「指の先が溶けるかもしれないよ」
と言った。
毒キノコは怖いものがたくさんある、という。
「毒のあるものほど、いい匂いがするもんだよ」
と妻は疑わしい眼つきをして言った。
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