日本で唯一の屋根に椿の木を植えた店舗から作家、社長、杜氏である谷口英久が綴る抱腹絶倒の「Blog」
こんなもの誰も欲しがらないだろうな。
12/Sep.2020 [Sat] 13:21
ラジカセの巻き戻し機能が
壊れたことは以前書いたのだけれど
テープを巻き戻す良い方法がないか、考えていたんですね。
そうだ、それなら、電池とモーターで動く巻き戻し器を作ったらどうなのか? と自分の中で盛り上がった。
プラモデルに使うモーターを動力にして、軸を延ばしてカセットテープに繋げば良いのである。
うーん、これは良いかもしれない。
しかし動力がどのくらいの速さで回るかが鍵になるだろう。
あんまり速いとテープが千切れることもあるし、逆にゆっくりだと話にならない。
そんなわけでネットでモーターを見てみると、四段階にギアの調節のできるモーターが売っていた。
それが届いたので早速組み立てに入るか? というと、そうでもない。箱を開けてみたら、ギアの組み立てが難しすぎてわからないので困ってしまった。
こりゃダメだ、という訳で一週間、放置してあった。
仕事場では暑くてやる気がしないので、家に持って帰って、
酔った勢いでやってしまおう、という作戦にした。
酔うと頭のハードルが下がるので、難しく見えるものも、一つずつ順番にやっていけば案外出来てしまったりするのである。
取り扱い説明書を見るとギア比によって、回転する速さが決まると書いてある。
しかし、そのギア比というのがわからない。こういうものは小学生向けに書いてあるのかと思ったけど、そんなことはなくて、難しいのである。とりあえず、一番速い回転数だと思われるものを選んで、それに必要なパーツを組み立てていくことにする。
しかしこの取り扱い説明書はモノクロの印刷で、今度はこのパーツで良いのかどうか、迷ってしまう。やれやれ、こういうことは不得手なんだ、ということが今になってわかる。やめれば良かったか? と弱気になるけど、しかし、もう後には戻れない。ま、失敗したって良いんである。
気楽に行こうぜ、と自分に暗示をかけてなんとかモーターを組み立てた。
さて次は木工の仕事。カセットテープがしっくり収まるように、まずモーターの軸に合わせて板に穴を開ける。それからモーターの軸の先にコルクを取り付ける。これがカセットテープの、穴の片方に入ってテープを回す役目をする、という壮大な計画。
木工の仕事は正確に距離を測って切ってゆくということが
まず苦手である。
たいてい寸法を間違えたり、面倒くさくなって
適当に切ってしまうことがよくある。
それでもなんとか、綺麗に材木を切った。
次に穴を開ける作業。
これも穴の位置を間違うとモーターの軸がずれてしまうので
緊張する。大体、どうやってこの穴の位置を決めるのか
大汗をかいて作業をした。
モーターの軸の先に付けるコルクは切り出してみると
完全な丸にはなっておらず、付けて回してみると
よれてしまう。
そこで鉛筆を少し切って、芯の部分に穴を開けた。
これでうまくいくかもしれない。
手が芯だらけになったけれど、早く次の作業に入りたい。
どうか? 
うまくいった。
試しに電池を入れて、モーターを回して、カセットを
巻き戻してみる。
おおー、素晴らしい。ゆっくりだけど確実に巻き戻している。
満足した。
妻に見せると、すごいすごいと言って褒めてくれる。
こんなことをしているうちに八月が終わってしまった。
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峠の我が家に辿り着く。
12/Sep.2020 [Sat] 13:17
「ずいぶん良くなったねえ」
と妻に言われた。
妻はしみじみとした柔らかい表情になった。
大切に育てている植物が元気になった時に見せる
嬉しそうな誇らしいような表情に似ていた。
めまいと吐き気が一番酷かった頃は
生気が無くなって、
本当に死んでしまうかと思ったほどだという。
鍼を打ってくれる阪本さんも
「あの頃は目に力が無くなっていた」
と言われた。
確かに危なかったなあ、と自分でも思う。
あんなに具合が悪くなったのは
今までの人生の中でも無かったことのように思った。
お腹が痛くなって手術をしたこともあるけれど
それでも医者に行けば理由がわかるので
不安になることはなかった。
けれども今回はどこに行ってもその原因がわからず
それが一番辛かった。
食べられないことでどんどん痩せてゆくのも
本当に困った。
足に力が入らないし、体が枯れ木のように細くなってゆくのである。
体重は今でも痩せた時のままだけれど
近頃は筋肉がついてきたように思う。
これではいけないと思って毎日歩きに出かけたことが
良かったのかもしれない。
もう峠は越したのだろう。
いやはや、人生何が起きるか、わからない。
具合が悪くなっても原因がわからないことだってあるのである。
そんな時にどうすればいいか?
と思っても、泥沼にはまったように身動きが取れない
状態になっていることもある。
それに気がついただけでも儲けものだった。
吐き気とめまいもまだ続いているけれど
なんとか凌げるようになってきた。
健康は本当に大事だなあ、と歳を取って
ようやく実感しているというわけである。
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