日本で唯一の屋根に椿の木を植えた店舗から作家、社長、杜氏である谷口英久が綴る抱腹絶倒の「Blog」
軒先にいると。
02/Nov.2021 [Tue] 7:59
家の勝手口の上りガマチの板が腐ったので取り替えることにした。
木の厚い板を用意して、それを替えれば良いかな、と思っていたら、その板を受ける材木も腐っていた。
雨で濡れる場所なので、長い年月を掛けて腐ってしまったのだろう。早めに取り替えればよかったのだけれど、なかなかそこまで手が回らなかった。
板を受ける材木はビスを使わず、ほぞを切ってはめてあったので、まずそれを外すのに一苦労した。
今度はその、ほぞをノミを使って彫らなければいけない。
うーん、こんな緻密な仕事が出来るかな? と、思ったけれど、ほぞを切るのは何度かやったことがある。
ノミも細いものしかないけれど、これでも時間を掛ければ出来るだろう。
とりあえず、その材木を工場まで持ち帰って、同じ材木を用意した。(捨てようと思いながら放置してあった材木が使えることがわかって、一人で喜んだ)
小雨が降っていたので工場の軒先でほぞを切り始めた。
すると犬のゆずちゃんが遊びに来て、顔を舐めてくれた。
寒かったので犬の顔を撫でると温かくて、この温もりが懐かしかった。「犬は良いなあ」と、ゆずちゃんを撫でながらゆずちやんのお母さんに言った。
「もう飼わないの?」とお母さんに聞かれて、テツのことを思い出した。泣きそうな気持ちになった。
こうしてゆずちゃんがときどき来てくれたらそれで充分だと心の中で思った。
今度は隣のおじさんがやってきて「何を始めた?」と聞かれたので、こういうわけでほぞを切っているんだ、と説明すると、そんなノミじゃ細くて時間がかかる、と、言われた。
おじさんの持っているノミを家から出してきて、これを使えば早いと言われた。
トンカチも「それは工事現場で使うものだ。大工用のゲンノウを貸してやる」と言って、また家から持ってきてくれた。
確かにこっちの方が素晴らしく使いやすい。頭が重くて、振りやすい構造になっているんだ。
ノミも幅が広くて、よく研いであって、一度にザックリと掘れる。
道具でこんなに違うのか、と思うほど、速く仕事が終わった。
カラスも来て、すぐ後ろでぼくの仕事を見ている。
こいつは仲良しで、しょっちゅう来てはぼくの仕事を眺めている。
「来たのか?」と声を掛けると「ゥカア」と返事をする。
どういうわけかはわからないけど、とにかく本当にすぐそばまでやってきては、こうして首を傾げて、仕事を眺めているのだ。
軒下でトンテンカンテン仕事をしていると、人やら動物やらが来て、なんだか楽しかった。
ほぞは無事に切れて、それを持ち帰ってはめてみると、ぴったりだった。
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