日本で唯一の屋根に椿の木を植えた店舗から作家、社長、杜氏である谷口英久が綴る抱腹絶倒の「Blog」
私の目指すもの。
15/Nov.2016 [Tue] 18:46
眼を診てもらっているクリニックに出かけて、
ひとつ、とても感心したことがあった。
それは、クリニックの雰囲気がとてもよくなっていることだった。
以前は感じなかったけれど、今回伺って、
ぼんやり座っているときに
「あれ? ずいぶん雰囲気がいいなあ」
と思った。
眼の中を診てもらうために散瞳剤という目薬を入れる。
瞳孔を開く薬である。
こうなると眩しくて、眼の焦点も合わなくなるので何もできない。
スマホを見るのはもちろん、自分の手帳に何かを書くこともできなくなる。
それで、眼を閉じてぼんやりしながら診察を待つことになる。
耳が次第に冴えてきて、空間に触れようとする。
診察室の奥から聞こえてくる、眼の度数を測る声。
受付の女性の応対の声。
それぞれに温かみがあって、全体の雰囲気がものすごくやわらかいのだ。
なにか温かいものに包まれているような静かな気持になる。
気のせいではないか? と思った。
でも、耳を澄まして、全体の空気を感じると、
やっぱり気のせいではないことがわかった。
こんな雰囲気の病院は滅多にない。
このクリニックはご夫婦で診察をされていて
ぼくが診てもらうのは奥さんのほうである。
写真を選ぶのもこの先生だ。
今日は旦那さんも診察をしているらしく
二人の声がそれぞれ聞こえてきた。
そのどちらも明るい。
受付の女性の応対も、優しさが言葉の端々に溢れているように思った。
いったいどういうふうにしたら、こんな雰囲気になるのか
ぼくにはわからないことだと思った。
診察をしてもらっているときに先生に
「雰囲気がずいぶん良いですね」
と言ってしまった。
先生はハッとするように、動きを止めて
声にならないような声を出した。
「温かいものに包まれているような感じがします」
とぼくは続けて言った。
「嬉しいです。それが私の目指しているものなんです」
と先生は言った。
先生はぼくと同い年なので、もう人生も半ばを過ぎたころである。
お金とか栄誉とか地位を求めてギラギラする人もいるけれど
クリニックの空気を温かいものにしよう、
と努めている先生が身近にいることが嬉しくなった。
こういうところで診てもらって
親しくお話しをさせていただけるのはありがたいことだなあ、と思った。
世の中にはすごい人がいるなあ、と今日も驚かされた。
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コメント
良いお話をありがとうございます。
あたたかい場所を目指す先生がいて、実現するスタッフの方々がいて、それを感じて書く谷口さんがいて、読む人がいて、出会ってしまいました。わーい。
最近ニュースサイトの「あなたにオススメの記事」って検索履歴とかで勝手にオススメしてきますが、事件や事故がずらっと並んでて、うわこんなんばっか読んでるのかとやや凹みでした。そこにいい記事が並ぶようにならんかと良いニュースを読みたいと思っても断然少なくて、あっても妙な感動話だったりで、ニュース縛りのせいというのもありますが良い話に出会うのは難しい。。
このお話が読めてよかったです。
さと : URL : 20/Nov.2016 [Sun] 0:30 : j.RtSJhE : PAGE UP↑↑↑
お褒めいただきありがとうございます。
こういうのをウィンウィンって言うんでしょうか?
さとさんも喜んで、ぼくは褒められて喜んで
先生も喜んで、みんな喜んでいる顔が
思い浮かぶなんて、素晴らしいことですよね。
これからもどうぞよろしくお願いします。
一円大王 : URL : 23/Nov.2016 [Wed] 19:40 : 7G6x5wCw : PAGE UP↑↑↑
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