日本で唯一の屋根に椿の木を植えた店舗から作家、社長、杜氏である谷口英久が綴る抱腹絶倒の「Blog」
ゆうべ流れ星を見た。
04/Dec.2016 [Sun] 8:49
この何年かは、工場の近くに家を借りて
麹(こうじ)を造る日はそこに泊まる。
昨日は流れ星を見た。
空を見上げた瞬間に斜めに星が流れていった。
息を詰める間もないほど、速かった。
街灯もたいしてないので、星がざらざら見える。
明け方の四時はまだ外も真っ暗で猫も見かけない。
誰もいない工場の中で一人、麹が育ってゆくのを
眺めているのが好きだ。
昼間でもひとりだから、それは変わりないけれど
夜中はもっとシンとしている。
その中で麹が熱を出している。
それをぼうっと突っ立って、眺めている。
そういうときに、ああ、俺はここが好きだなあ、と思う。
麹でアレルギーが出て苦しむので
大きなマスクを付けている。
空気を送り込む本格的なマスクで
息をするたびにヒューンという独特な音がする。
そうやって麹菌を吸わないようにしても
やっぱりあとで苦しくなる。
苦しくなると、気が滅入ってきて、ろくなことを考えない。
肺が詰まるように、息が入らない。
背中の肩甲骨の辺りが腫れあがる。
誰にも会いたくなくなる。
だから一人が良いのだけれど、こうして夜中に麹の様子を見に来ると
やっぱり、ここが好きだなあ、と思うのだ。
麹を造る回数が増えるとしだいに苦しみも増して
一週間、あいだを空けても、まだ苦しい。
身体も動かなくなってくる。
出来た焼酎はこんなに旨いのに、と思う。
コクが増して、若い頃には出せなかった味が、今はある。
苦しんで造るのも良いものだ。
だってこんなに美味しいものが出来るんだから。
文章もこんな味が出たら良いのになあ。
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コメント
今まで実は麹が熱を出すとか生きているというあたり、いまひとつ実感がなかったのですが、今年ホームベーカリーなるものを買って、パンを何度か焼いてます。材料入れるだけで作るというほどでもないのですが、パン作りですから、途中で発酵させるんですね。刻々とむくむく膨らみます。菌は違えど、お酒ではこれが樽でぼこぼこいうくらい働くんですね。動画とかも見てましたけど、肌感覚が加わるとやっぱり違うものですね。
毎年ですがどうぞお大事に。。
さと : URL : 07/Dec.2016 [Wed] 8:01 : dj5LDbN. : PAGE UP↑↑↑
ありがとうございます。
自家製パン、美味しそうですね。
酵母は特別のものですか?
それとも市販のものでしょうか?
大島では近所の人が野生酵母を使って
パン作りをしていて
このパンを貰って食べて美味しかったので
びっくりしたことがあります。
ああいうものはやっぱり自分で作って
食べるに限りますね。
一円大王 : URL : 11/Dec.2016 [Sun] 18:09 : 3TCwiUrU : PAGE UP↑↑↑
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