日本で唯一の屋根に椿の木を植えた店舗から作家、社長、杜氏である谷口英久が綴る抱腹絶倒の「Blog」
ちょっとだけ春。
26/Jan.2017 [Thu] 18:22
冷たい空気を自分でかき回しているのだろう。
蔵の中で動くと冷気を裂くように
身体が冷たかった。
それでも、外はなんとなく春の息吹を感じる。
今までとは違った鳥の鳴き声があちこちから聞こえた。
メジロが、小さな声でチュクチュク、呟くように鳴いている。
春になると、もっと高らかに澄んだ声で鳴くのだけれど
冬の中でも、こんな声で鳴いているんだ。
ウグイスも、春とはまるで違った声で
やはり何かささやくように鳴いている。
あちこちで鳥たちが静かにそっと空気をかき混ぜるように
動いている。
「ちょっとだけ春だね」
と一緒に仕事をしていたカネちゃんに言うと
「そうですか?」
と言った。
何を言っているのか、わからない、というような
きょとんとした顔をしていた。
一日ごとに春を感じるようになるのは、まだ先のことだけれど
それでも、春がすぐそばまで来ている。
嬉しいなあ、本当に嬉しいことだなあ、と思った。
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