日本で唯一の屋根に椿の木を植えた店舗から作家、社長、杜氏である谷口英久が綴る抱腹絶倒の「Blog」
また今度会いに行くからね。
30/Jan.2017 [Mon] 18:16
浜松町の竹芝桟橋から船に乗るまでのあいだ、
すこし時間があった。
そこで待合室の上の陽の当たるベンチに座って、
持ってきたおにぎりを妻と食べた。
日向ぼっこをしたいなあ、と思っていたので嬉しくなった。
おにぎりを食べ始めるとすぐに鳩が寄ってきた。
一羽だけなので、お米を何粒か、鳩のそばに投げると
すぐにそれを喉を鳴らして食べた。
鳩がもう一羽、どこからともなく飛んできて
我々の前に舞い降りた。
ありゃー。
こいつらは、誰かがこうして食べ物をくれるのを
知っているんだ。
するとベンチの脇の植え込みから
スズメが一羽、顔を覗かせた。
顔が汚れていて、体型もまんじゅうを潰したような
形をしている。
もう歳なのかもしれない。
大島ではあまり見かけないタイプのスズメだった。
なんだか可愛らしくて、鳩ではなくてこのスズメに
ご飯をあげたくなった。
指にくっついているご飯粒を指で弾いて、鳩の群れの向こうに
いるスズメめがけて、飛ばしてみた。
スズメはそれに素早く気付いて、鋭く動きながら
ご飯をついばむと、植え込みに隠れた。
「いいぞ、スズメ」
妻と二人でそう言って、スズメが再び出てくるのを待ち構えた。
「きた。それ、今だ」
今度は妻がご飯粒を投げた。
またしても鳩より速く、ご飯をついばんで、植え込みに隠れた。
都会ではこのくらい敏捷でなければ生きていけないのかもしれない。
興奮して、スズメを応援していたら船が出る時間になっていた。
慌てて下に降りると、最終のアナウンスが流れて
船に掛けられたタラップをはずす準備をしていた。
「危なかったね」と妻と船に乗り込んでから呟いた。
「へちゃむくれのスズメ、かわいかったね」
と妻が船が動き出してからまた、そう呟いた。
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