日本で唯一の屋根に椿の木を植えた店舗から作家、社長、杜氏である谷口英久が綴る抱腹絶倒の「Blog」
また今日も叫び声が聞こえる。
06/Jul.2020 [Mon] 14:06
工場の裏にある林の中から
奇妙な声が聞こえた。
ギグエエーッ、という低いけれど
そこに高音も混じる、そしてものすごく
よく通る声だ。
悪魔の声はこんな声だろうか?
と聞くたびに思ってしまう。
これはキョンの声で、一度鳴き始めると
しばらくその場に居座って鳴いている。
臆病なくせに「うるさい」と大声で言っても逃げない。
自分の声で他の音が聞こえないのかもしれない。
この何年かはキョンが大島全体で増えすぎているので
町が駆除をし始めた。
裏山に歩きに行くと防護ネットに
そのキョンが掛かっていることがある。
小さな華奢な体つきで、かよわい鹿に見える。
網に掛かっているとかわいそうで見るに耐えない。
(助けることは禁じられている)
しかし、その体つきとは裏腹に
声はすごいんですよね。
原稿を書いているときや、焼酎の帳面を付けている時に
こいつの声が聞こえてくると
仕事が出来なくなるくらい、ひどい声だ。
この何日かは毎日のように鳴いていて
ため息が出てしまうほどである。
まあキョンにしてみれば、鳴きたい事情もあるのだろう。
俺の言い分も聞いてくれよ、ということかもしれない。
これが東京なら、隣の部屋がうるさくてかなわない。
上の部屋の人の歩く音がうるさい、ということになるのだろう。
悪魔の声がいいか、隣人の人間の出す騒音がいいか、
まあどこにいても似たような悩みは尽きないというわけである。
とにかくそんなわけでキョンは今日も鳴いている。
百合の花に蕾がついているのは食べないでくれよ、と心の中で思った。
comments (0) : trackback (x) : PAGE UP↑↑↑
コメント
コメントはありません。
: URL : : : PAGE UP↑↑↑
コメントする









            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
<<<<< 2020,Aug >>>>>