日本で唯一の屋根に椿の木を植えた店舗から作家、社長、杜氏である谷口英久が綴る抱腹絶倒の「Blog」 |
阪本さんのところに鍼の治療に出かけた帰りに庭に出ると木の枝に蕾がたくさん付いているのが見えた。
蕾にはベルベットのような小さな細かい毛が生えていて、指先でそっとなぞると気持ちが良さそうだった。 その横にはもう桜の花が咲いていて、 「いつの間に?」 と思った。 今日はまたひどく冷え込んで風も吹き荒れているけれど そんな中でも春が近づいているんだ。 木のつぼみも本当に可愛らしくて、嬉しくなった。 ゆっくりと土の道を踏みしめて、車まで戻った。 鍼の治療ももう二十年近くしている。 その間に何度もここを歩いているはずなのに 小さな発見が無数にあって驚かされる。 こんなつぼみがあったことも今日初めて知ったのである。 ぼくの知らないことはまだ世の中にたくさんあって きっと知らないまま、一日を過ごしているんだろう。 その間にも木の芽がふくらんで、春が近づいてきているんだ。 なんてすごいことなんだろう。 生きている自体がすごいことなのに、こうして地球は回って春がまたやってきている。 なんてすごいことだろう、と馬鹿みたいに何度も思いながら工場まで戻った。 (三月初めに書きましたが掲載が遅くなりました) comments (0) : trackback (x) : PAGE UP↑↑↑
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