日本で唯一の屋根に椿の木を植えた店舗から作家、社長、杜氏である谷口英久が綴る抱腹絶倒の「Blog」
不思議な夢。
24/Oct.2021 [Sun] 21:27
夢の中に写真家の中川道夫さんが出てきた。
中川さんとは昔、中国の昆明を旅している時に知り合った。三十六年も前のことである。
当時はホテルの最上階にベットだけがたくさん並べてあるドミトリーという安く泊まれる部屋があって、そこで一緒になった。
歳は中川さんの方が上だけれど、気が合って、昆明の街をよく一緒に散策した。
散策している途中で、子供の大道芸があり、その子は腕にナイフを刺して人々に見せていた。
そしてその手で見ている人にお金をもらおうと手を差し出した。
そのときちょうどお金を持ち合わせていなかったのでそばにいた中川さんに「ぼくの分も一緒に払ってください。あとで返しますから」とぼくは言った。
中川さんはこれが面白かったらしく、その後もこの話を何度もした。何が面白いのかぼくにはわからなかったけれど、とにかくぼくは変わっているらしかった。
一緒に歩いているときにぼくが撮る写真の被写体を見ては嬉しそうに笑って「あなたの撮るものは面白いね」とも言われた。
当時はまったく無名だったので、中川さんにそう言って貰うと誇らしいような不思議な気持ちになった。
そのずっとあとで書くことになる一円大王の連載もすごく褒めてくれた。
(生まれて初めての連載も中川さんの紹介で美術出版社の雑誌でさせて貰えることになった。それは「美術館探訪」というコーナーで毎回書く人が違うものだったけれど、ぼくが書いてそのコーナーは終わりになる予定だったらしい。ところがその原稿を書かせてもらったあとで、反響があり、そのあとも書かせて貰えることになった)
中国から日本に帰ったあともアパートが近いこともあって、ときどき中川さんのところに遊びに出かけた。
その中川さんが夢の中に出てきて、中川さんの秘書をしている女性が、ぼくにお祓いをしてくれるという。(実際に中川さんに秘書がいるのかどうかは知らない。とにかく夢の話である)
(どうかなあ?)と思いながらベッドに横になると、その人が人差し指をぼくの肩に付けた。
すると身体に電気が走ったように痺れて、背筋が冷たくなった。
ぼくには生き霊が憑いていたけれど、それをすべて祓ってくれたのだそうだ。その生き霊の名前も告げられて、たしかにと納得がいった。
これからはなんでも上手くいきますよ、と言われてありがたい気持ちになったという夢である。
それが印象に残って、手帳版の日記にもそれを書いた。
するとその日のお昼頃になって中川さんからファクシミリが届いた。
もう十年以上連絡を取っていないので、ものすごく驚いた。
中川さんはウェブ上で街歩きの連載を始めたので、それを読んで欲しい旨のことが書いてあった。
それで懐かしくなって思わず電話をして、今朝見た夢の話をした、という訳である。
不思議なことだけれど、こういうことってあるな、と思う。
中川さんは少し気味悪がっているようだったけれど、そこから始まって、お互いの近況を話し合った。
中川さんの著作で中国の上海を撮った「上海双世紀」(岩波書店)は大好きな本で、本棚から出して時々眺める。当時の上海の空気が濃密に写真に写っていて、街の音や人の声まで聞こえてくるような気持ちにさせられる。
中川さんの新連載は街を歩く話で第一回目は三浦海岸の話だ。写真家だけど中川さんの書く文章にも味わいがあって、読んでいると知らないこともたくさん出てくる。(そのアドレスを貼っておきますので、これを読んでいる方もぜひ覗いてみてください。
気に入ったら下にあるハートマークを必ずポチッと押してください。そうすることで中川さんの連載が長く読めるのだそうだ。)
お祓いに行かなくとも、夢の中でお祓いが出来たことは自分でも面白いと思うけれど、そこに中川さんが出てくるということは、やはり心の奥深くで中川さんを信頼しているということなのだろう。
それが巡り巡って夢と現実がリンクするということも、とても意味のあることなのだと思う。
生きていることはとても不思議だ。
https://note.com/honno_hitotoki/n/n81d5232cc4a3
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