日本で唯一の屋根に椿の木を植えた店舗から作家、社長、杜氏である谷口英久が綴る抱腹絶倒の「Blog」 |
秋葉原の整骨院の帰り道、そういえばこの辺りはアッコの店の近くじゃないか? とふと思う。
アッコというのは従姉妹の子どもで、二年半くらい前にパン屋を始めた。 一人でパンを作り、一人で売る、というスタイルで、開店早々コロナ禍になったのにもかかわらず行列の出来る店になった。 忙しそうなのでいつも顔を見て二言三言話して帰る。 一人だと身体を壊すよ、と言いたいけれど、それは自分も同じである。 同じだから、辛いところもよくわかるという訳だ。 アッコは気質が似ているというのか、黙々と自分の味を追求していて、それを見るとやはり応援したくなる。 でもぼくが応援しようとしまいと、忙しいことに変わりはなく、言うだけ野暮ということもわかっている。 だから顔だけ見て「元気か?」とだけ声をかける。 その日はもう夕方に近い時間でまだやっているかな? と思いながら店に行くと、お客さんが一人買い物をしていた。 良かった。これなら少しは立ち話ができるかな、と思いながら店先に立った。 店といっても間口一軒の対面販売で、奥にパンを作る工房があるだけのシンプルな作りだ。 「元気か?」 と声をかけると「お兄ちゃん? 」とびっくりしたような顔をしている。 「ギックリ腰になって近くの整骨院まで来たんだよ」 と言うと 「あー、腰ね」 と、わかったような顔をしている。 パンの小麦粉の袋も25キロもあるので持ち上げるときにギクっとなったことがあるのだそうだ。 アッコは痩せているし、この身体で25キロのものを持ち上げられるのか? とびっくりした。 少し話しているともう次のお客さんが来て、自分の買いたいパンを注文して買って帰ることにした。 「じゃあな、元気でな」 と言って帰る。 でも年に一度か二度、こうして顔を見るだけで、来て良かったなぁ、という気持ちになる。 大して食べられないので、パンも少ししか買わなかったけれど、よく考えたらもっと買って眼科の先生にもお土産にすれば良かったんだな、と思った。 まったく考えが足りないといつもながら反省する。 腰はどんどん痛くなってきて、駅に着く頃にはまたいつもの変な格好になって歩いていた。 comments (2) : trackback (x) : PAGE UP↑↑↑
コメント
お元気ですか〜
その後腰の具合はいかがですか? 寒いと治りに時間かかります(T_T) 温泉行って温まったくらいじゃよくならないのかしら。 魔法使いみたいな整体師さんは居ないみたいですが、腰よくなりますように。 お大事にしてくださいね
ユキミ : URL : 01/Feb.2022 [Tue] 9:38 : A0Zb3bBg : PAGE UP↑↑↑
ユキミさんこんにちは。ご心配いただきありがとうございます。 だいぶ良くなりまして歩けるようになりました。温泉に浸かるのも良さそうですね。 腰は本当に大事だと身に染みてわかりました。
一円大王 : URL : 01/Feb.2022 [Tue] 15:33 : fNwyv2.Q : PAGE UP↑↑↑
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