日本で唯一の屋根に椿の木を植えた店舗から作家、社長、杜氏である谷口英久が綴る抱腹絶倒の「Blog」
温かい気持ちが伝わってくる。
23/Dec.2020 [Wed] 14:15
クリスマスが近づいてきて、クリスマスカードが届き始めた。
それと共に小包まで送られてきて、誰だろう? と思ったらビール作りを教わったアメリカのジョナサンから送られてきたものだった。
ポートランドのコーヒー豆とチョコレートが入っていて箱を開けるとその香りが部屋一杯に拡がった。
ビール工場で休憩時間になると、ボイラー室でコーヒーの豆を挽き、コーヒーを淹れる。豆はスタンプトン社の苦味の濃い味で、これを飲む時間が好きだった。馬鹿なことを言い合って、スティーブの社会の窓が開いていたから「おい、そこ開いているぞ」と言ったら顔を真っ赤にしていたことを思い出す。
ビッグマイケルの誕生日には彼が好きなケーキを買いに行って食べたなあ。マイケルの手が大きいのでケーキが小さく見えてびっくりした。
みんなどうしているだろう? と懐かしくなった。
ジョナサンは忙しいのか、奥さんのアンバーが書いた手紙が入っていた。
ジョナサンは屋根裏部屋を片付けて、綺麗になったのよ、今度来たら見てね。
ジョナサンの両親はコロナウィルスに感染してしまい、でも良くなりつつある、と書いてあった。
今はどこにも出かけられないけど、この騒ぎが落ち着いたら、ポートランドか大島で会いましょう、きっとね、と書いてあった。手紙は良いなあ。
メールと違って、気持ちが直接伝わる。アンバーはかつてはIBMの社員で今は自分でコンピュータプログラミングの会社を立ち上げている。アメリカ国内でも数人しかいないほどの優秀な人材だ。でも手書きの手紙の良さも知っているのだろう。
温かい気持ちを伝え合うこと、キリスト教徒ではない自分にもそれはわかる。
メリークリスマス。
この気持ちが皆さんにも届きますように。
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眠るときに耳栓しますか?
20/Dec.2020 [Sun] 9:54
急に寒くなってきたせいか風が強く吹いている。
そのせいで屋根の修理をする夢をずっと見ていた。
屋根がバタバタ音を立てていて、その箇所を探しているのだけれど、どうしても見つからない。
たしかあそこだったはずだけどなぁ? と思いながら屋根に登っても壊れているふうではない。変だなあ、ここじゃないのか? と思ってまた別の場所を探す。
音はたしかにバタバタ聞こえているので、そこを直しておかないとまた屋根が飛ばされてしまう。
そんな夢だ。
音が聞こえているのは現実で、風で煽られたベニヤ板が一度持ち上げられた後で、元に戻る。その時に大きな音がするのである。
太い針金で縛ってあるので飛ばされないとは思うけれど、これだけ強い風が吹くと煽られて音を立てるのだ。
眠ってるあいだにその音を聞いて、夢の中で修理箇所を探しているのだろう。
屋根に登って修理をしなきゃと思いながら焼酎の仕込みに追われて帰ってくるともう真っ暗になっている。倉庫の屋根は波板スレートという部材で、それを発注して取り付ければ良いのだけど、台風以降その部材が手に入らない。仕方なくベニヤ板を張って、針金で縛ってある。一人でやった素人の仕事なので雨さえ凌げれば、というくらいの工事だ。
家に帰るとまた風が吹いてベニヤ板がバタバタしていた。今日は耳栓をして寝よう、と思いながら、それも忘れてしまいぐっすり眠った。
なんだよ、耳栓必要ないじゃん?    
と朝起きてから思った。
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昨夜の地震。
19/Dec.2020 [Sat] 9:56
地震が来ましたね。一度目はお風呂から上がった直後でよくわからないけどなんだか揺れてるなぁ、と言う程度の揺れだった。
二度目はテレビの前でうとうとしていたけどさすがに目が覚めるくらいの縦揺れ。
夜中にも下から突き上げながら捻れるように揺れて、これは怖かった。何日か前に静岡でリュウグウのつかいという深海魚が水面まで上がってきたというニュースを見たので、大きな地震が来るのかな? と思っていたけれど大したことがなくて良かった。
この何日かは、裏山で地鳴りのような音を何度も聞いたので、それも心配だった。
ご心配いただきありがとうございます。
それより風がものすごく、そっちの方が心配なくらいです。
こんな風の日に地震でストーブが倒れてどこからか火が出たら大変なことになる。
火が流れて村中大火事になるからだ。
何が起きるかは分からないけれど、何があっても落ち着いて対処
出来たらな、と思っています。
ご心配いただきありがとうございました。
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よもぎのお風呂に入ってみた。
14/Dec.2020 [Mon] 14:45
リエさんが蓬(よもぎ)の葉っぱを乾燥させたものをくれた。
お茶にして飲むと解毒剤になるのだそうだ。今は麹を造っているのでぼくが具合が悪いのを見て持ってきてくれたのかもしれない。
葉の開く前の蓬の葉を採ってそれを乾燥機にかけて乾かしたのだそうだ。
「お風呂に入れても良いんですよ」
ということで、お茶の葉を入れる袋に詰めてお風呂に入れてみた。
良い香りがして、汗がどんどん出る。
肩の痛いところにその袋を当ててみると熱くなってきて痛みが和らいだ。
これは素晴らしい。
何よりも温まるのが良い。
そうリエさんに報告をすると、今度はそれを進化させたものをくれた。
内容物はリエさんの特許なのでここでは書かないけれど
野草を乾燥させたものを袋詰めにしてお風呂に入れるように
してあるという。
レモングラスも入っていて、これが良い香りだ。
そうか、島で暮らすということはこういう楽しみ方もあるのか、と感心した。
リエさんは元々は神奈川県の出身で、大人になってから
大島に来たという。
今では島に家を買って、猫と一緒に悠々自適の暮らしをしている。
畑で明日葉を作り、それを摘んで、野菜売り場に持ってゆくのも仕事の一つらしい。
猫は三匹いて、それぞれが可愛いのだそうだ。
そういう話を聞いていると、こっちも楽しくなってくる。
裁縫も得意でボロボロになるまで着たカシミヤのセーターを見せたら
それをネックウォーマーにしてくれたこともあった。
良いなあ、あくせく仕事をせず、ゆとりがあることは素晴らしい。
いつも何かに追われるように仕事をして
疲れ果てている自分とは対照的な存在である。
まあ、お風呂にでもゆっくり浸かって疲れを癒してね、
ということなんだろう。
ありがとうございます。
せっかく大島に住んでいるんだから、たまには海でも眺めて
静かに過ごしたいもんだ、と思った。
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お元気ですか?
13/Dec.2020 [Sun] 7:17
谷中に住んでいた頃のことを急に思い出した。
母親が亡くなったあとそれまで二人で暮らしていた部屋を引き払い、改めて谷中にアパートを借りて一人で暮らし始めた。
癌の末期だった母親が亡くなって、
死ぬということはどういうことなのか
初めて真剣に考えることになった。
生きていた人が急にこの世からいなくなることが
本質的にはどういうことなのかわからなかった。
これからどうやって生きて行くのか
それも改めて考えなければいけない時期に来ていた。
原稿を書きたいと思っていたものの、どうやってそれを仕事に結びつければ良いのか? まるでわからなかった。とりあえずどこかで
働かなければならない。
アパートの近所に洒落た喫茶店があり、ここのコーヒーが美味しかったので
働かせてもらえないか、聞いてみた。その店の扉を押すまで、ずいぶん時間が掛かった。
当時ぼくは24歳で、歳の近い若い子が多く働いていた。
その人たちは今どうしているんだろう、
と急に懐かしく思い出したというわけである。
その中の誰かといまだに連絡を取っているわけでもなく
みんなあだ名で呼び合っていたので
本名も思い出せない。
店長だった佐藤さんの名前は覚えているけれど
マヤちゃんやコンちゃん、ニキちゃんは
どうしているんだろう? と思った。
もうそれぞれ家庭を持って、お孫さんがいる人も
いることだろう。
あの頃はお金もなくて、毎日部屋で原稿を書くことだけに
必死だったなあ。書きたくてもうまく書けないことの方が多くて、自分でもどうしたらうまく書けるのか、途方に暮れることが多かった。お金がなくて困ったなぁと思って歩いている時に保育園で遊んでいた女の子が寄ってきて金網ごしに「大丈夫よ大丈夫だから」と言ってくれたことがあったっけ。不思議なことだったけれど、そうか、大丈夫なんだ、と思った。
あれからもう三十年も経ったわけか。早いもんだなあ、本当に昨日のことのようだ。
コーヒーの勉強もずいぶんして、それが今の焼酎造りの役に立った。人生何が起きるかわからない。懐かしい思い出である。 
今日は夕陽がきれいだった。
ヒヨドリの群れが青い空を飛んでいった。それをいつまでも見つめていた。
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まるで犬みたい。
08/Dec.2020 [Tue] 13:33
エアコンの暖房が効かなくなってしまった。
先週は動いていたのに、今日になったらちっとも温かい風が出てこない。
それでもジーっとその前で待っていた。壊れているのにそれに気が付かないまま座っていることに気がついて、「犬みたいだな」と自分のことを思った。
しかし困りましたね。このエアコンの会社は島の中には業者がいないので、東京から出張修理を頼まなければいけない。
まず型番を調べて、電話をしなきゃと思いつつ帰ってくるとお風呂だ、洗濯だ、洗濯物を干して、乾いたものを畳んで、お風呂掃除。やれやれそれが終わってから一杯飲むともう眠くなってくる。
という繰り返しで型番を調べるだけで三日も掛かってしまった。
島に出張修理となるとその人の船賃もこっちで負担するのかな? 嫌だなと思いながらまた何日か過ごした。
まぁ灯油ストーブでもいいか、しかしそれも臭くて面倒なので家の中でダウンの上下を着て過ごしている。
焼酎のもろみは冷え込まないように厳重に暖房を入れているのに自分は家の中でダウンを着て寒さを凌いでいる。
いつになったら直るのか、だからまず電話をしなさいって、話はそこからだろ? と自分に突っ込みを入れている。
ああ、型番を調べなきゃ、って、夢の中でも考えている始末だ。
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びがたりない。
06/Dec.2020 [Sun] 14:57
交通安全週間になると道路脇に看板がやたらと立つ。
誰が作るのか五七五に習った標語が白い看板に太い黒字で書かれている。
それが漢字を使わずみんなひらがなで書いてあるので読みにくい。
字が書いてあるとつい読んでしまうのだけど、ひらがなだと一瞬で読めない。運転中によそ見をするので危ない。
気をつけなくちゃと思いながら帰り道にまたそれを見てしまう。馬鹿だなあ、と自分のことを思う。
標語といってもシートベルトをしようとか、運転中にスマホを見ると危ないとか、車の影から人が飛び出すから気をつけよう、とかそういうものを俳句風に書いてあるのである。
その中にひとつ気になる看板があって、「飛ひ出すな左右確認忘れずに」というものなのだけど、「飛び」の「び」に点が振ってないのである。書体は荒ぶる魂のような渾身の看板なのだけど、びの点が抜けてしまっている。
最初は、なんだか変だなあと思って仕事の行き帰りに横目で眺めていた。そのうちに「あ、びの点がないんだ」ということに気がついた。しかし、看板を見ている間は必ずよそ見をしているわけで、これも運転手泣かせだなぁ。
墨を用意して、車を降りてひに点を入れたいけど、こういうことをすると道交法違反になるのかもしれない。他の看板は安全週間が終わると同時に撤去されたけど、この点抜けの看板だけはいつまでも飾ってある。偉い人が書いたものなのかもしれない。
「まーた細かいことをタニグチが言っているよ、あいつは本当に細かい」と言われそうだけど原稿を書く身としてはこういうことは気になって仕方がない。
誰がこの看板に点を入れてくれー、と会社の行き帰りにそう思っている。
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小僧物語ってありましたね。
01/Dec.2020 [Tue] 14:43
玄関の照明器具が錆びてきたので
直していると
外を誰か通りがかっている気配が後ろから聞こえた。
なにしろ脚立に乗って両手も塞がっているので
振り向くこともできない。
結構な数の人の声で、そのうちの一人の人が
「ここって、有名な?」
「そうそう。ほらあの江戸博物館の・・」
「人がいるから聞いてみたら?」
などと言い合っている声が聞こえる。
あっ、やだなあ、今日は日曜日で
できればこのまま通り過ぎてくれないかなあ?
と思っていると
「すみませーん」
と声を掛けられた。
もうこうなると仕方がない。
「はい?」
と言って脚立から降りて返事をした。
「この屋根の草はわざと?」
と、眼鏡を掛けた男性に聞かれた。
みんなトレッキングをしているようなスタイルで
登山靴にリュックも背負っている。
「はい、わざとです」
となるべく簡潔に答える。
「ここって、もしかしてあの江戸博物館の?
えーと、なんだっけ、フジ・・・?」
「そうです、藤森さん。江戸東京博ですね」
とぼくは答えた。
藤森さんは今は江戸東京博の館長も務めているらしい。
とにかく偉いのである。
「どうしてその藤森さんがここに?」
と聞かれた。
「あっ、藤森さんとは仲良くさせていただいて
藤森さんが作る建築の手伝いをしていたんです。
その縁でこの建物の設計をお願いしました」
と答えた。
赤瀬川さんのことや縄文建築団のことを言っても
話が長くなるだけだろうと思った。
もうお昼で、妻がご飯の支度をしている匂いが漂ってきている。
「お父様が? ですか?」
と聞かれたので
「いえ、ぼくです」
と答えると男性は納得がいかないようで
「お父様でしょ?」
ともう一度聞かれた。
良いなあ、ぼくのような小僧があの有名な藤森さんと
知り合いであるはずがない、と思われているらしい。
もう六十歳に近いのに、小僧に見られているなんて
俺も捨てたもんじゃないぞ、と思った。
写真に撮ってブログに載せたいというので
それは丁寧にお断りした。
人がたくさん来るのは好きじゃないし
対応できないから、とやんわり言った。
人々は納得したように頷いて、屋根の上の椿や
草茫々のとんがり屋根を見ながら、ガヤガヤと坂を下りていった。
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情熱のむかごご飯
01/Dec.2020 [Tue] 14:29
むかごの季節になった。
と言っても何のことか知らない人も多いだろう。
ぼくもよく知らなかった。
むかごは山芋の蔓に付いている山芋の実で、丸い小指大の粒のような形をしている。
妻が夏に山芋のヘタを放置しておいたら根が生えてきて、それを植えたら蔓が伸びてむかごがなっていた、というわけである。
そうか、これがむかごか、それなら裏山にもたくさんあるなぁ、というわけで山を歩くときにちょっと見てみたら、おお、なってる。
こんなにある、というわけでそれを採ろうではないか、ということになった。
そんなことをしていたら、近所のY中さんが「ほれ」といってむかごをたくさんくれた。両手で持って余るくらいの量である。
これをむかごご飯にして食べろ、というわけらしい。
この量でご飯五合、塩が六グラムが適量だということ。
早速炊いてみると、これが美味い。なんとも素朴な味で、塩が効いている。
美味しかったなぁ、むかごご飯。
生まれて初めて食べたけど、これは癖になる味だ。
しかも裏山に行けば結構採れるのが嬉しい。
今は仕込みでどこにも行けないので、こんなことでも嬉しさが込み上げてくる。
裏山の道沿いはもう採り尽くしてほとんどなくなってしまった。
来年は早くから採ろうね、と妻と意気込んでいるところだ。
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