日本で唯一の屋根に椿の木を植えた店舗から作家、社長、杜氏である谷口英久が綴る抱腹絶倒の「Blog」
季節が巡ってゆく。
28/Sep.2021 [Tue] 9:08
少し前までは蝉の声の中を歩いていたけれど、今は虫の音に包まれるようになった。
あれだけ鳴いていた蝉も勢力が弱まって、季節が変わったんだなと改めて思った。
今年も本当に暑くてクラクラしていたのに、もう今ではそんなことも昔のことのように思える。
窓を開けて床に着くと、虫の声に覆われて、どこか宙に浮いているような気分になる。
しかも今日は中秋の名月で青白い月明かりが斜めに部屋に注ぐ中で横になっている。
夏の疲れが溶けてゆくような気持ちになって、そのうち眠ってしまった。
もうすぐ仕込みが始まることを意識しているのか、仕込みの夢をよく見るようになった。
たいていは仕込みがうまくいかなくて、試行錯誤している夢だ。
昨夜は蒸留をしようとしているのに、ボイラーがうまく炊けなくて困ってしまった。
そのうちに蒸留するもろみ液が漏れてなくなってしまった。
苦労して作ったもろみが無くなったので、本当に困った。
せっかく虫の音に包まれて良い気持ちで眠ったのに、目が覚める頃にはこんな夢を見ている。
変なものだなあと思った。
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髪の毛が不自由なわたし。
25/Sep.2021 [Sat] 9:08
このあいだ、機械を修理するための道具入れが欲しいと思ってホームセンターに行った。
もう少し大きい方が良いんじゃないかなぁ? と思いながら小さめのバッグを見ているところに
「コンパクトだけど、そこそこ入る!
コンパクトツールバッグ」
というコピーが書いてあって唸ってしまった。
まさに買おうとしている人が考えていることを代弁しているかのようなコピーだったからだ。
ひとつ上のサイズだと大きすぎるしバッグ自体が重くて持ち運ぶのに不便だと思った。
それでこの小さめのバッグを手に取って見ていたらこのコピーが書いてあったというわけである。
それを買って帰ってから道具を入れてみると確かに小さいけれど色々入って使いやすい。
これは良いものを買った、と満足した。
もうひとつ、
「抜け毛は何もしないと抜け続ける。」
と、電車に乗ったら書いてあった。育毛ケアの宣伝である。
気にしている人の心には刺さるのだろう。
ぼくの抜け毛はもう度を越して、ほとんど無いに等しいので、バリカンで坊主にした。
頭の上に小さなウィッグを付けるのも面白いだろうな、と思っている。
汗をかいたら人前でそれを外して、「暑いですね〜」と言いながら額の汗を拭くと面白いだろう。
友人のオカムシにそのことを話すと喜んで「やってくれ」と言われたのでその気になっている。
今度ぼくを見かけたらぼくの頭をよく見てくださいね〜。
ではでは。
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神様のおつかい。
21/Sep.2021 [Tue] 14:26
山に散歩に行くと道の真ん中にカラス蛇の子供がいた。
こんなところにいると車に轢かれるので道路脇に行くように促すけれど、カラス蛇としてはそれは嫌らしい。
葉っぱで尻尾のあたりを押してやるとトグロを巻いて戦闘態勢のポーズをとった。
おお、やるのかお前。小さいけどやる気十分なんだね。
それで葉っぱを蛇の上に落とすと、カラス蛇はそれをパクッと噛んだ。口の中のピンク色の舌が一瞬見えた。
すごいなぁ、子どもでも野性味は充分だ。
カラス蛇の子どもはそれからようやく動き出して道の脇の土手を登っていった。
それが昨日の話で今日は蔵の脇のポンプの下に蛇がいると妻が言う。ポンプの下にはブロックが敷いてあって、その穴の中に蛇の尻尾が見えた。
マムシだと危ないので行ったり来たりしながら見ていると青大将がその穴から頭を出して様子を伺っている。
その顔がなんとも可愛らしくてつい見とれてしまった。
蔵にいる蛇は神さまの化身なので大切にするようにと昔から言われているけれど、そうなのか神様はこんなに可愛らしいんだ。しばらくその頭だけ出している青大将を眺めていたけれど、妻が来たら、また頭を引っ込めてしまった。
でも逃げないのでここが気に入っているんだろう。
近ごろは何を見ても愛おしく感じて、スズメもツバメも、蛇もみんな愛おしい。見て、嫌だという気持ちにならない。
家には大きなアシタカグモがいるけれど、これも大切な愛おしい存在に思える。どうしたのかな俺? どこかおかしいのかな? とも思うけど、とにかくそんな気持ちだ。
こんな気持ちをどう表せば読み手ち伝わるのかわからないけれど、本当にそんな気持ちだ。
青大将はそのうちにどこかに行ってしまったらしく、ブロックの穴を覗いてみたけど、姿は見えなかった。
(七月に書いたものですが、今頃の掲載になってしまいました)
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今一番行きたい場所。
19/Sep.2021 [Sun] 11:49
渡合温泉に電話をしてみた。
毎年この季節になると岐阜の山奥のこの温泉に浸かるのが楽しみなのだけれど、この何年か、用事が入って行けなかった。
一昨年は台風の被害で家が大変なことになり、昨年はコロナ騒ぎ。
今年も同じくデルタ株が流行りだして、出かけるのを控えている。
渡合温泉のフェイスブックを見ると、最近テレビの取材を受けたそうで、取材にきた芸人さんと共にご主人と女将さんが玄関の前で写真に収まっていた。
ご主人のお腹が少し凹んで見えたので、電話をしてみる気になった。
電話をして懐かしい声を聞きたいと毎日のように思っているけど、気がつくと向こうの忙しい時間でになっていて、つい気後れしてしまう。
お昼頃がちょうどひと段落の時間だと思うけれど、その頃はこっちがバタバタしていることが多いからだ。
それで昨日、ようやくその夢が叶って、電話を掛けた。
女将さんの元気の良い声が聞こえてきて嬉しくなった。
「声が聞けて嬉しいうれしい」と女将さんも言ってくれて、こっちも胸がいっぱいになった。
三分も話していないけど、もう声を聞いただけで気持ちが温かくなった。
今年も行けそうにないんですよ、と言うと、「この季節になるとタニグチさんのことを思い出すから、どうしているかな? と思っていたんよ〜」と温かみのある声で言ってくれた。
電話を切ってからも、ずっと渡合のことを考えて、寂しかった。
大好きな友だちが遊びに来て、何日も遊んだあとで船に乗って帰ってしまったような気持ちだ。
子どもの頃によくそんな寂しい気持ちになったことを思い出した。
今週末にでも出かけてみようか? とも思ったけれど、やはり今は控えた方が良いだろう。
バスを降りてから何時間も歩く山の中のことや、青みがかった山を眺めながら浸かるお湯の気持ち良さや、蕎麦を打って一緒に食べたことや、そんなことを妻と話した。
静謐な時間が流れる宿は日本中を探してもこの渡合温泉だけだろう。
電気の通っていない、ランプだけの光の中で過ごすあのなんとも言えない暖かみのある空間を懐かしく思い出している。
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謎の生物、現る。
13/Sep.2021 [Mon] 13:30
囲炉裏のすぐ脇の板に白い足跡が見つかった。
囲炉裏の中には灰が入っていて、その中から這い出てきた何かが通っていった跡なのだと思われる。
しかしこのくらいの歩幅を考えると、これがどんな生物なのか、まるで予想出来ない。
足が長くて、歩幅が大きい。
想像すると奇妙な生物を考えてしまう。
家の中を這っていて、囲炉裏の中に落ちて、そこからまた這い上がったあと、どこかに逃げていったのだ。
朝起きたら、こんな足跡が見つかったので夜中の出来事なのだろう。這っていった先を探しても、生き物らしきものは見つからず、一体なんだったのか、未だにはっきりしていない。
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台風が迫ってきている。
12/Sep.2021 [Sun] 13:54
また暑さがぶり返してきた。
今日は屋根の修理をしたいので、この暑さは堪える。
日差しが強いので汗をみっちりかくだろう。
昨日、急に空が暗くなってきたと思ったら、ものすごい雨が降ってきて、それが何時間も続いた。
前から直さなきゃと思っていた箇所から雨が漏れ出して、大きな台風が来る前になんとかしよう、と思ったのである。
修理の仕方はわかっていて、道具も揃えてある。
コンクリートの屋根でも、ステンレスの板の屋根でも、一通り修理の仕方を覚えた。
ほとんど独学だけど、試行錯誤をしているうちに分かったというわけである。
あとはやる気ですね。
さあ、梯子を屋根に掛けて、登ろうとしていたら、オカムシがやってきた。
何か用があるわけではなく、単にお茶を飲みに来たらしい。
じゃあまぁ、お茶でも飲もうか、ということになって、ずるずると話をした。
10分くらい、と思っていたのにあっという間に小一時間が経ってしまった。
いつものくだらない話である。
そんなことをしているうちにお昼になりそうで、慌てて屋根に登った。
暑くならないうちに、やってしまおうと思っていたのに、もう屋根の鉄板は熱くなって、目玉焼きが出来そうなくらいだ。
オカムシにも手伝ってもらおうと思っていたら「あっ、俺帰らなきゃ」と言って帰ってしまった。
オカムシは灯油も売っているので、「俺は油を売るのは得意」なんだそうだ。
やれやれ。
今年はひどい台風がどうか来ませんように。
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火を見ると目の色が変わる。
09/Sep.2021 [Thu] 13:48
0さんという友だちがいて、中国出身の女性だ。
明るくていつも元気なので、ぼくたち夫婦はこの人の大ファンである。
さらに頭もよくて、日本語を話すだけではなく英語も出来る。
建築の勉強を続けて、今では関西の大学の教授にもなった。
凄いことですね。
日本に来てまず日本語を学び、さらにその国の大学の教授にまでなるのだ。
しかも明るくて、一緒にいると笑いが絶えない。
そんな0さんのことを急に思い出して電話をしたら、あれ? 電話が繋がらない。旦那さんの携帯に掛けても「現在、この電話番号は使われておりません」ということ。
どうしちゃったのかなぁ? と思って、葉書を書いて送った。
年賀状は貰っているのでその住所に葉書を送ってみた。
するとようやく電話が掛かってきて、また楽しく話が出来たというわけだ。

中国のご両親の話から、(昔、遊びに行ったことがあって、本当に良くして貰った)0さんが教授になってどうしているか、など、話は多岐に渡って一時間も話してしまった。
その中で0さんの生徒が設計した建物がコンベで優勝した話も出てきた。
詳しくは書けないけれど、火をテーマに建物の設計をしたのだそうだ。
火については面白い話があって、その話をすると王さんは喜んでくれた。
どういう話かというと、ぼくの家に遊びにくる人が囲炉裏の前に坐って炭の火を見ると、そこから離れなくなる人が多い、という話だ。
何か問題を抱えている人ほど火をいじりたがる。火箸を使って炭の火をいじって、一日中そこにジッとしている。
そうやっているうちに心が晴れるのか、スッキリした顔になってゆく。
そんな話をした。
火が人の心と密接に関わっていることは間違いないのだろう。
なにしろ人は家の中で火を起こしてそれを見つめながらずっと暮らしてきたのである。
この百年で近代化が進んだけれど、それまでは火を囲んで身を寄せ合って暮らしてきた。
不安な気持ちも、火を見ると落ち着くのは、そういう意味もある。
ヨーロッパには家の中に暖炉があるけれど、日本で囲炉裏が残っている家は少なくなった。
火は危ない反面、生活の中に取り入れれば、心を豊かにしてくれる力を持っている。
そんなことを0さんと話して、楽しかった。
コロナが落ち着いたらまたすぐに会おうね、と話した。
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初めての出来事。
08/Sep.2021 [Wed] 13:34
PCR検査をした。
白内障の手術を受けるためには、まずこの検査をしなければいけないのだという。
指定のプラスチックの容器に唾液を2c c入れなければ検査が出来ないらしい。
病院の、元は廊下だったところをビニールで遮り、そこにパイプ椅子が並べて置いてある。そこに座って唾液を出すらしい。
こうして書くとものすごく変なことをしているように思えるけど、やっている本人は必死なのでそんなことにも気がつかない。
看護師さんは腕の太いごつい人で、この人にはいつも小言を言われる。
本当は家で唾液を入れてくるはずだったらしいのに、ぼくが空手で病院に来たので、仕方なくこの部屋に入れてくれたのだそうだ。
「聞いてますか? タニグチさん?」と言われて「聞いていますよ」と答える。
この人に逆らって首でも締められたらすぐに気絶しそうなので、いつも素直に聞くことにしている。
「じゃあこの容器に唾液を入れてくださいね。大変だと思うから五分したらきますから」
と言われた。
説明の用紙も渡されて、「梅干しかレモンを食べる想像をしてください」と書いてある。
「いや、一分もあれば充分ですよ。唾液の量は多いんで」
と答えると
「じゃあ一分後に来ますから」
と言われる。
ところがやってみるとこれがなかなか難しいことがわかった。
唾液は泡が多くて、液体はなかなかたまらない。
始めのうちは勢いよく出ていた唾液もすぐに出なくなってきて、一分ではまるでたまらなかった。
「どうですか?」
と聞かれて
「ぜんぜんダメです」
と答えると
「ほーらね。だから難しいって言ったのよ」
とまた言われてしまった。
それが前回で、今回は二回目の検査のために、またしても唾液を容器にためなければならない。
今日は自宅でやることになった。
それなら何分掛かるか、タイマーで測ってみることにした。
五分くらい掛かるかな? と思ってやり始めると、これがまた大変で、全然たまらない。
さあ、何分掛かったでしょう?
正解は9分35秒。
うーん、ずいぶん掛かりましたね。
人生は何が起きるかわからない。
白内障になる日が来ることも予想出来なかったけれど、唾液を容器に入れることも予想出来なかった。
明後日は二回目の手術だ。
うまく行きますように。
(七月に書きましたが今頃の掲載となりました)
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本当かなぁ?
04/Sep.2021 [Sat] 12:12
天気予報では明日は涼しくなるよ、と言っているけど、本当かなあ? と思った。
これだけ暑くて湿度も高いのに、すぐに涼しくなるとはとうてい思えない。
ツバキ城の屋根の低い方は、午後になると室温が30度を超えて、頭がジリジリ焼かれるように熱くなる。
午前中に焼酎の仕事を片付けて、午後は原稿を書きたいのだけれど、机に向かっても熱くて頭がボーっとしてくる。
そこでタオルを水で濡らしてそれを頭に巻いて原稿を書く。
それでもタオルはすぐに乾いてしまうので、今度は保冷剤を頭とタオルの間に挟む。
そんなふうにして小一時間仕事をするというわけだ。
暑さを我慢しながら仕事をしている人はたくさんいて、たとえば宅急便の配達をしているお兄さんも夏バテなのかどんどん痩せていくように見える。
それで「暑いのももう少しだよ。明日は涼しくなるって言っているよ」と話すと
「本当っすか〜?」
と言われてしまった。まるで信用していない顔つきで、そりゃそうだよな、と思った。
郵便配達のおじさんにもそう言うと、「まぁね〜」とこちらもまるで信じていない様子。
郵便配達もバイクに乗って一日中炎天下の中を走るわけで、暑くて大変だろう。
さあ、どうなるか? 涼しくなると良いなあと、思って翌日を迎えた。
やはりちっとも涼しくない。
湿度が高いのだ。
まぁね、そんなもんだよな、と思った。
と、思っていたら、涼しい風が時々吹いてきて、お、と思うとまた湿度の高い風が押し寄せてくる。汗が引いたり出たりの繰り返しだ。
山に歩きに行っても、涼しいところと暑いところがまだらに折り重なっている。
こうして少しずつ涼しくなっていくのだろう。
しかし困るのは一旦涼しくなってからまた暑さがぶり返すことで、こうなると慣れるのに時間がかかる。
仕込みに入るまでに少し体重を増やしておきたいけれど、夏は暑すぎて叶わなかった。
頑張れ〜。
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草が生える〜、と言われたけど、たしかに草が生えすぎだ。
03/Sep.2021 [Fri] 6:17
ツバキ城の屋根が草茫々でひどいことになっている。
目の手術で草取りが出来なかったのだ。
なんとかしなきゃ、とは思うのだけど、今は暑くて屋根に登ることができない。
と、思っているうちに草がどんどん伸びてひどいことになってしまった。
お化け屋敷のようで、毎朝見るたびに、ありゃ〜、と思う。
それで、少し日が陰っている日に意を決して屋根に登った。
屋根に登るだけでこんなに暑いのか、というくらい暑い。
草が伸びすぎて足元にあるはずの足掛けが、見当たらない。
ここは慎重に行かないと、屋根から落ちる危険もあるのでゆっくり移動してゆく。命綱も付けているけれど、宙ぶらりんの状態になると面倒なのだ。
草を刈って下に放り投げて行くけど、百合の花も咲いていて、これを避けながら草を刈るのはなかなか難しい作業だった。
夢中でやっているうちに気持ちが悪くなってきて、とりあえず今日はここまで、ということにした。
登ってから一時間半も経ってしまった。
完全ではないけれど、まぁ見た目はだいぶ良くなった。
お客さんが来て写真を撮っているのを見ると
「草ボウボウで恥ずかしいから撮らないでください」
とお願いしているけど、やっぱり撮っている。
仕方ないですね。
とにかく暑いので、気持ちが悪くなったら休まないと大変なことになる。
クーラーのない作業場で仕事をするのも大変だけど、屋根に登るのはもっと大変だ。
自然との共生が素敵です、などと言う人は、来て手伝ってください、と言いたいところだけれど、屋根に登って落ちたら骨折だけでは済まないだろう。
ま、あとはぼちぼち頑張ろう。
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