日本で唯一の屋根に椿の木を植えた店舗から作家、社長、杜氏である谷口英久が綴る抱腹絶倒の「Blog」 |
春の良い季節になった。
工場の裏ではキジのなく声が聞こえる。 それに混じって鶯の声。 温かい風が窓から吹き込んで来て、ああ良い季節になったなぁと心底思う。 先週の土曜日にはツバメも見かけた。 今年初めてのツバメである。 春が巡ってきて、ツバメもまた渡ってきたんだ。 先々週は島の北側にある公園に桜を見に出かけた。 毎年楽しみにしている桜で、一本の木から白い花とピンクの花が同時に咲くという珍しい木である。 キメラという現象らしい。 毎年花が咲くちょうど良い時期からは少し外れて、花が終わっていたり、まだ早かったりするのだけど、今年はぴったり、花盛りだった。 その桜を思う存分眺めて、公園の中を散策した。 広い公園の中に人は誰もおらず、不思議な気分になる。 地球上から人がいなくなって、その中を彷徨っているような静けさだった。 その中で満開の桜の花だけが静かに豪華絢爛に咲いていた。 comments (0) : trackback (x) : PAGE UP↑↑↑
お風呂場の窓辺にアスパラという植物が置いてある。
細い茎が伸びてそこにチリチリの細かい葉っぱが付く観葉植物だ。 冬のあいだ元気がなかったので、そのアスパラに何回かに分けて栄養剤をあげた。 ハイポネックスという水に混ぜる栄養剤で、しかし大して効かないので、水をやる時には必ずこれを入れてあげた。 そうしたら春になって、新芽がどんどん出てくるようになった。 すごいすごいと褒めてあげると、もう狂ったように茎が伸びて、窓がジャングルのように覆われてしまった。 さらに新芽は伸びるところを探して風呂桶の水の中にまで侵入し始めた。 お湯に浸かると枯れるだろうと思ったら、そんなことはなく、それでも伸びる。 どうするんだよ? と思うけど、ジャングル化はどんどん進んで止まらなくなってしまった。 ユーのせいだよ、と妻に言われたけど、あのときは枯れるのが心配だったのだ。 しかしこれじゃあお風呂に入れないよな? と思っている。 茎には棘があって肌に触れるとチクチクするし、それを避けながらお風呂に浸かるのもなんだかなあ、という気持ちになる。 困ったもんだ。 comments (0) : trackback (x) : PAGE UP↑↑↑
ジョナサンがチョコレートと共に送ってくれたコーヒーはオレゴンのポートランドで焙煎されたもので、ビール工場で一服するときはいつもこのコーヒーを飲んでいた。
コーヒー味のビールを作るためにこの会社から豆を仕入れていて、その味をぼくが好きなのを知っていて、送ってくれるのである。 しかし今回送ってくれたものは酸味が強いので、もう少し苦味を効かせた味に出来ないかな? と考えた。 そうだ、コーヒーの焙煎に興味があって焙煎するための網を買ったのだ。 しかし使う間がなくて、台所に置きっぱなしになっていたので、妻に怒られたのだ。 これを使って深煎りにすれば、酸味も消えるのではないか? そう思って説明書をよく読み、ネットでも調べて、焙煎をしてみた。 網に入れたコーヒー豆をよく振りながら火にかける。 次第に煙が出てきて、大丈夫なのか不安になる。 それでも続けてゆくと、豆が爆ぜる音がし始めた。 これを続けてゆくと、もう一度爆ぜる時が来るらしい。 しかし煙はものすごくて台所中焦げた匂いで一杯になってしまった。 二回目の爆ぜが終わったら今度は外に持っていって、うちわで素早く冷ますのだという。 焦っているので、これがなかなか上手くいかない。なにしろ網が熱くなっていて、豆が取り出せないのである。 しかしそうやって焙煎してみると、確かにコクが出て、深い味のコーヒーになった。 コーヒーはネルドリップで淹れるのでより深い味わいになる。 (ネルドリップで淹れるコーヒーは若い頃にずいぶん勉強した) このところ焼酎の造りが忙しかったのでしばらくはコーヒーも淹れられなかったけれど、またこうしてコーヒーを味わう時間が取れるようになった。 焙煎も楽しいし、ネルドリップで淹れる一手間が自分には嬉しい。 味わいのあるものを作り出すことは本当に楽しい。 ジョナサン、ありがとう。 図らずも焙煎が出来て、満足した。 comments (0) : trackback (x) : PAGE UP↑↑↑
アメリカの友人、ジョナサンがコーヒーとチョコレートを送ってくれた。
そのチョコレートを何の気なしに食べたら、胃が痛くなってきて困った。なんだこりゃ? と、思ってパッケージを見たら、なんと、チョコレートに唐辛子が混じっていて食べた後でそれがじわじわと効いてくる。 なんだってチョコレートに唐辛子なんか混ぜるんだ? と思うけど、アメリカだからなぁ、と考え直す。(ジョナサンが作ったわけではなく、そういうものを売っている)それを買うジョナサンの嬉しそうな顔が目に浮かんだ。 あんまり苦しくて懲りたのでそれは食べるのをやめて次のチョコレートを手に取ると、今度はレモンパイ味だと書いてある。 まーたこんなもの、と思って食べてみると、たしかにレモンパイの味がする。 オレゴンのポートランドでは牛肉味のアイスクリームまであって、それを食べたときは顔が歪んだ。 「どうなの? 美味しいの?」と訊かれて「まずい」と言うとみんな大喜びをして笑っていた。 店員の兄ちゃんまで大喜びをしていて、本当に変な奴らだなぁと思った。 このチョコレートもそういうノリで作ったんだろう。 しかしレモンパイ味は食べるうちに癖になってきて、日を追う毎に楽しみになってきた。 ありがとうジョナサン。 いつかジョナサンが日本に遊びにきたら、まずくさやを焼いて食べさせてみよう。これを焼くと強烈に匂うので東京では焼くことが出来ない。そのくらい臭い。 ジョナサンの目を瞑らせて「アーン」をさせて口に放り込んであげるのが楽しみだ。 どんなリアクションをするか、動画にでも撮ってこのブログでアップしたい。 しかし唐辛子入りのチョコレートには参りました。 comments (0) : trackback (x) : PAGE UP↑↑↑
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